Googleは2日、YouTubeのユーザーインターフェースを刷新した。公式ブログによると、7月から実験的に公開したCosmic Pandaをベースとして全体のデザインを一新、白ベースでグレーのトーンの落ち着いたデザインで、動画をより見つけやすくしたという。

GoogleTV

これはYouTubeを5年前に17.6億米ドルで買収したGoogle社のプロジェクトの一環で、インターネット上で最もビューワの多いYouTubeを、ケーブルテレビを観ているような環境に変えていく。つまりGoogle TVの登場により、YouTubeサイトをスクリーンの大きいテレビで観るために考慮されたといえる。YouTubeはGoogleに買収された後、インターフェースデザインやビデオ技術において更新を重ねてきた。それでも増えていくコンテンツの多さ、そしてビューワの数により、ビデオコンテンツの閲覧、サーチに関しては多くのリクエストが寄せられていた。

12月2日後に初めてログインすると、トップページのデザインが大幅に変更されているのに気がつく。今までの水平で仕分けられていたセクションが、今度は縦割りの3部構成になっている。新トップページでは、登録リストのチャンネルの更新情報がまとめてトップページ中央に一覧されている。また、左上の「チャンネルを追加」からカテゴリ別に好みのチャンネルを探して一括登録できるようになり、チャンネルをクリックすると選んだチャンネルの最新アップデートが一覧で見られる。「急上昇」、「再生回数ランキング」などYouTube上でトレンドになっている動画や、「おすすめのチャンネル」も自動で抽出し、トップページで案内する。


また、ソーシャルTVの仕様も盛り込んでいる。他のSNS等で共有された動画も、トップページ中央「登録リスト」一覧に表示することができ、Google+やFacebookのアカウントと紐づけてSNSで繋がっている友達やサークルのメンバーが共有した動画をYouTubeのトップページで確認できるようになった。

Googleは、YouTubeがプロフェッショナルのコンテンツを持ち込み、独自のチャンネルを持つことが、TV市場へGoogle TVを投入以来、益々重要になってきている。消費者側の「ケーブルカット」の傾向もあり、NewsCorp、Foxやディズニーなどは、コムキャストやディレクTVなどのペイTV事業者からの提携フィーや広告収入が減ることを恐れて、Google TVといったプラットフォーム側へコンテンツをブロックしがちである。そこでYouTube側では現在、ディズニーなどハリウッド大手の配給会社と組んで独自の番組をYouTubeで展開する準備を進めている。新チャンネルは来年次々に登場する予定。

(山下香欧)