株式会社博報堂DYメディアパートナーズ(博報堂DYMP)と株式会社Tメモは共同で、スマートフォンで撮影したテレビ番組映像を認識し、その映像の関連情報を自動的にスマートフォンに配信するテレビ番組連動の映像認識アプリケーション「パシャーン」を開発した。南海放送の「makiコレ」(毎週木曜日24時38分~24時48分)において2月2日から4週間にわたり実証実験が行われている。

このアプリは、視聴者がスマートフォンで撮影した画像の情報と番組映像を照合させ、その映像に対応した情報が視聴者側のスマートフォンに表示されるというもの。Android2.1以上を搭載したスマートフォンに対応する。株式会社ゼータ・ブリッジの保有する画像認識技術を活用しており、同社は今回、テレビ画面を撮影した画像情報からそのシーンの明暗や色の分布などの特徴量を抽出して、あらかじめ登録されている番組内の各シーンの特徴量と比較することで、視聴者がどの番組のどのシーンを視聴していたかを特定できる「テレビ映像認識技術」を開発した。博報堂DYMPでは、このアプリを活用し、番組連動での視聴者参加型企画展開や、インフォマーシャルやCMと連動した企業マーケティングコミュニケーションとして応用できるという。

南海放送「makiコレ」における実証実験放送では、視聴者は「パシャーン」を起動して、番組本編やインフォマーシャル、CMなどの放送画面を撮影するだけで、番組や広告主の商品・サービスに関する詳細情報や商品割引クーポンなどをスマートフォンで受信したり、また広告主の商品プレゼントに応募することができる。さらに、画面を撮影して情報取得すると1枚のポイントステッカーが付与され、獲得したポイントステッカーに応じて番組プレゼントキャンペーンに応募できる視聴者参加型のイベントも今後展開していくという。

博報堂DYMPは、今回の実証実験のような生活者のマルチスクリーンにおける視聴行動を調査し、メディア環境の変化に伴う生活者のメディア接触行動の多様化の中で、今後も放送コンテンツの再価値化や高い広告効果を期待できる手法の開発を積極的に行っていくという。

(山下香欧)