株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)は4月から、PlayStation Vita(一部のAndroid端末も含む)で稼働するゲームやアプリケーションを作成できる開発ツールキット「PlayStation Suite SDK(以下、PS Suite SDK)」のベータ版を提供する。正式版は2012年後半から提供できる予定。

PS Suite SDKは、昨年11月から日本、アメリカ、イギリスにおいて、クローズドベータ版として提供されていた。今回、新たに提供を開始するオープンベータ版(無料)では、ゲームやアプリケーションの開発に必要な統合開発環境(IDE)だけではなく、API(Application Programming Interface)やUI部品、PlayStation Vitaのシミュレータなども含まれている。開発に利用するプログラミング言語はC#で、OSはWindows XP/7。オープンベータ版のテストでは、利用人数を増やし、利用できる国を増やす予定だ。

オープンベータ版で開発したゲームは、シミュレータだけではなくPlayStation Vitaの実機でも検証することができる。2012年後半にリリースされる正式版(99米ドル/年)に所定の手続きをすれば、PlayStation CertifiedデバイスおよびPlayStation Vita用のコンテンツとしてPlayStation Storeで世界中に向けて販売することもできる。PS Suite SDKのオープンベータ版および正式版は、今後オープンする特設サイトから情報を取得できる。PS Suite SDKを利用するには、特設サイトからSCEが提供するライセンスプログラム「Developer Program for PlayStation Suite」への参加が必要になる。

PlayStation Certifiedの取得デバイスは2012年3月7日現在、ソニーモバイルコミュニケーションズのXperia arc、Xperia acro、Xperia PLAY、Xperia acro HD、Xperia S(日本モデル名:Xperia NX)、Xperia ionおよび 、ソニー株式会社の”Sony Tablet”Sシリーズ、”Sony Tablet”Pシリーズ。SCEは今後も、「PlayStation Certifiedデバイスの拡充を進めPlayStation Suiteを通じて、コンテンツ開発者様の協力を得ながら、オープンなシステム上でのエンタテインメント体験の普及を強力に推進していく。」としている。

(山下香欧)