米インテル社がバーチャルケーブル事業者になる、という話題が米報道者の間でもちきりだ。ウォールストリートジャーナルやブルームバーグでは3月14日(現地時間)、インテルが年内にもオンラインでの有料放送サービス(有料TV)を始めると報道した。これはインテルが販売をすると言われるセット・トップ・ボックスとの接続で可能となるようだ。

インテル社は既にメディア配給会社やケーブル番組と、番組の放送権利の許可を得るための話し合いを持ち、オンラインでのストリーミング放送およびオンデマンド放送の両方を計画しているという。もし実施されれば、テレコム事業者のAT&Tやベライゾンに続く、マルチスクリーン対応のオンライン有料TVが誕生することになる。そして一般家庭が既存のケーブルや衛星放送サービス加入から離れる傾向に拍車がかかるかもしれない。オンラインでの帯域制限や、番組のライセンスコストの上昇が問題視されているが、それでも有料TV市場は、2012年までに407億ドルを超えることが予想されている。

オンラインTV事業への参入に興味を持っているのはインテルばかりではない。マイクロソフト社は昨年、Xbox360でのストリーミングTVサービスと並び、独自「Microsoft TV」サービスの事業計画を打ち立てたが、コンテンツに係るコストがボトルネックとなり、計画は保留となっている。

米アップル社や米グーグル社、米ソニー社、衛星放送事業者Dish Network社についても、オンラインサービスでのコンテンツの拡充でお互い競いあっている。グーグルにおいては、カンザス州で携わっているFTTHインフラ設備に合わせて、有料TVサービスにも注目、現在申請中である。

この報道に関して、インテル側ではノーコメントとしている。

(山下香欧)