米Aereo社は3月14日(現地時間)、Webベースのテレビサービスをニューヨークで開始した。専用アプリケーションやセットトップボックスを介することなく、Web上で地上波のHDテレビ番組を視聴できる、いわゆるOTA (over-the-air) IPTV。

サービス加入者は20以上のテレビ局の放送を視聴できるほか、仮想DVRと40時間分のストレージで、月額12ドル。また90日間の無償トライアルも行っている。同サービスの仕組みは、非常に小さいテレビアンテナがデータセンターに多数設置してあり、サービス加入者は、クラウド上のDVRから視聴できる、というもの。最大5台のデバイスからアクセスが可能。

Aereo社は、元パラマウント映画の会長兼CEOである実業家のバリー・ディラー氏が会長を務める米IAC(IAC/InterActiveCorp)が出資している、オンラインビデオサービスを主事業とする会社。

新サービスは、かつて一世風靡したSlingboxにも似ているが、家庭内のテレビに対してではなく、クラウド上のテレビアンテナに対して行うため、法律的には問題ないと、同社は語っている。しかし同サービスが著作権法違反にあたるとして、2週間前にNBC、ABC、CBS、FOX、PBSを含む大手テレビ局がAereo社に対して訴訟を起こしている。テレビ局側が請求しているサービス差し止めを求める仮処分については、5月28日に公判が予定されている。

(山下香欧)