米envivio社(エンビビオ)は、米Apple社が発売開始した新iPadやApple TVにネイティブ対応するエンコード技術とMPEG-DASH対応について発表した。今週、イギリス・ロンドンで開催されている「IP&TV World Forum」では、MPEG-DASHアダプティブストリーミングのビデオクオリティをAndroidタブレット端末でデモンストレーションしている。

DASHはDynamic Adaptive Streaming over HTTPの略で、HTTPを使ってビデオのストリーミングを行う技術。今までは、マイクロソフト社のSmooth Streamingやアドビ社のDynamic Streaming、Apple社のHTTP Live Streaming (HLS)といった、メーカーが独自で打ち出してきたストリーミング技術が主流だったが、昨年11月にはMPEG-DASHがISO/IEC 23001-6で標準化として承認されている。

MPEG-DASHは、再生が途切れないようにビットレートを切り替え、帯域などの環境に応じた最適な高品質のビデオストリームを提供できる。

エンビビオ社はMPEG規格委員会のメンバーであり、MPEG-DASHプロモーターのメンバーでもある。後者はマイクロソフト社、Netflix社、Qualcomm社が先導して設立、現在は、エンビビオのほかにもAkamai、Digital Rapids、Dolby、Elemental、Ericsson、HarmonicSamsung, Thomsonなど20企業がメンバーとして登録している。

エンビビオの「Envivio Muse」という、同社アプライアンス「Envivio 4Caster」およびHP社製のブレードサーバに搭載するトランスコードソフトウェアの最新バージョンでApple社の新iPadおよびApple TVにネイティブ対応するストリーミングが可能となった。2チャンネルのフル1080p解像度および最高6つまでのApple HTTPライブストリーミング(HLS)サブ解像度を、1台のアプライアンスからストリーミングすることができるという。

Retinaディスプレイの高解像度を活かした、鮮明な映像が楽しめるようになる。エンビビオ社はiPhone初代目が登場した当初からApple社と提携し、業界で最初にApple HTTPライブストリーミングに対応した。

(山下香欧)