キヤノンからCINEMA EOS SYSTEMシリーズのエントリーモデルとも言えるEOS C100が発表となった。2012年11月下旬の発売を予定しており、価格はオープン。市場想定価格は税込み55万円前後。先のNABで参考出展された4K対応の最上位機種「EOS C500/EOS C500PL」の発売時期も10月下旬と発表された。

EOS C100はEOS C300と同等のスーパー35mm相当の8Mセンサーを搭載しているほか、記録フォーマットに編集等後処理の汎用性が高いAVCHDを採用するなど、EOS C300の高画質を踏襲しながらより一般的に扱いやすくなっている。CINEMA EOS SYSTEMは昨年ハリウッドでセンセーショナルな発表を行ったEOS C300に次ぎハイエンドのEOS C500、今回発表になったエントリーモデルのEOS C100のほか、ズームレンズや単焦点レンズなどがラインナップされるなど短期間にシステムの充実が図られており、キヤノンのCINEMA EOS SYSTEMにおける力の入れようがうかがえる。

EOS_C100_Reverse_Grip_EF02.jpg

全体のデザインはEOS C300と酷似しているが全体に小型軽量化されている

全体のデザインはEOS C300と酷似しているが全体に小型軽量化されており、そのためもあってトップにあった液晶ディスプレーがデジタル一眼のように背面に配置された。また、HD-SDI端子はなくHDMIのみとなっている。HDMIタイムコードや2-3プルダウンマーカーが重畳され、非圧縮出力が可能なので、外部レコーダーを接続して記録すれば、EOS C300同等の画質で収録することができる。

Back_LCD.jpg

トップにあった液晶ディスプレーがデジタル一眼のように背面に配置された

マウントはEOS C300やC500のようにPLマウントモデルはなく、EFマウントのみである。レンズは付属しない。価格はオープン価格となっているが、EOS C300の半額近くの50万円台になる模様で、EFレンズの使用と外部レコーダーを使うことが前提とした運用では、非常にリーズナブルな運用が可能だ。

記録フォーマットがAVCHDということもあるが、ONE-SHOT AFやPUSH AUTO IRIS、ワイドDRガンマが新たに搭載されており、EOS C300やEOS C500のようなシネライクな運用ではなく、ビデオカメラ的な運用を意識したカメラといえるだろう。

ワイドDRガンマはEOS C100で新たに搭載されたもので、ノーマルのガンマ特性とCanon Logの中間的な特性となっており、800%の広いダイナミックレンジを実現している。暗部からの立ち上がりはノーマルのガンマとほぼ同じで、輝度の高い部分からカーブを描くワイドDRガンマは、従来のニー機能の発展系ともいえ、従来のビデオのワークフローになじみやすいといえるだろう。

ビデオでは当たり前のオートアイリスやオートフォーカスは、ボタン操作を押したときにのみ動作するワンショットタイプのもので、常時動作には対応していない。EOS C100はCINEMA EOS SYSTEMとしてラインナップされたカメラなので、あくまでも制作用というスタンスで、完全にビデオ撮影を行うような用途にはXFシリーズでという棲み分けともいえるだろうが、デジタル一眼用のEFレンズを使うという技術的な制約もあると思われる。ちなみに「EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS STM」(2012年6月発売)を装着した時に、画面中央の被写体にピントやアイリスを自動的に合わせ続けられる新機能を2013年上期にはファームウェアアップデートにより提供する予定だ。

ND.jpg

NDフィルターはEOS C300と同じだが、EOS C100は手動式となっている

デジタルシネマをキーワードにスチールやビデオ、映画など映像クリエータが動画制作を行うようになってきた。CINEMA EOS SYSTEMは映画製作向けのEOS C500、スチールカメラマン向けのEOS-1D C、今回発表されたビデオカメラマン向けEOS C100といったラインナップをそろえることで、業界を縦断するシームレスなものとなり、60種類以上あるEFレンズや動画用に新たに開発されたEFシネマレンズを核に、ある意味完結したシステムになったといえよう。