ミッキーマウスとヨーダのツーショットが撮れるのも夢でなくなった。ウォルトディズニーが、ジョージ・ルーカス氏が所有する非上場会社、ルーカスフィルムを40.5億ドルで買収することが発表された。
http://thewaltdisneycompany.com/disney-news/press-releases/2012/10/disney-acquire-lucasfilm-ltd

取引は株式と現金で行われ、ルーカスフィルムおよび制作プロダクションのIndustrial Light&Magic、スカイウォーカー・サウンド、ルーカス・アーツから、インディー・ジョーンズのフランチャイズ権利も含まれる。

ディズニーは2006年に「トイ・ストーリー」を生み出したピクサースタジオを74億ドルで、また2009年にはスパイダーマン、アイアンマンなどのヒーローが揃うマーヴェルコミックを42億ドルで買収している。

ルーカスフィルムの査定はマーヴェル買収の際の評価とほぼ匹敵するという。記者会見でディズニーのアイガー最高経営責任者はこのことについて「完全にスターウォーズのフランチャイズ権に由るものだった」と話している。ディズニー自身は現在、モバイルとゲーム市場への展開に注力を注いでおり、スターウォーズブランドを利用して新たなるゲーム市場、特にオンラインとソーシャルゲームに、そしてDisney XDチャンネルへの展開を狙っているようだ。

今回の買収での人事移管では、ルーカスフィルムで共同会長であるキャサリーン・ケネディ女史がルーカスフィルムの社長に就任することが決まっており、新役職のもと、今後のスターウォーズにおいて製作総指揮を務める。ケネディ女史は、Amblin Entertainment(アンブリン・エンターテインメント)においてスティーブン・スティルバーグ監督と共同創立者となっており、「ET、」「グレムリン」、「インディー・ジョーンズ」、「ジュラシックパーク」や「バック・トゥ・ザ・フューチャー」から最新作品「戦火の馬」 といった、数多くのヒット映画のプロデュースを務めた。

旧シリーズ(ルーク篇)の最終作である”エピソード6″「ジェダイの帰還(リターン・オブ・ザ・ジェダイ)」のあと、続編の製作はされないものとなっていた。しかしディズニーの下で話は一変、スターウォーズシリーズの7作目となる”エピソード7″は2015年に公開されることとなった。ディズニーでは、スターウォーズを2年~3年に1エピソードのサイクルで進めていく意向だ。 ルーカス氏は今後のスターウォーズ製作において、コンサルタントとして支えていくという。

スターウォーズの今後について、ルーカス氏は「この35年の間、私自身の最大の喜びのひとつは、世代から世代に語り継がれていくスターウォーズを見届けていることだった。そして今、制作側も次世代に引き継いでいくべきだろう。スターウォーズは、私というタイムラインを超えて、次世代へ生き続けていくものだ。私が生きている間に、その移行をしっかりと見届けることが私の役目だと思った」と語っている。

ディズニーによると、ルーカスフィルムは次のトリロジー製作を進めており、エピソード7については既に着手しているという。当日の投資家やアナリスト達とのカンファレンスコールでアイガー氏は「ディズニーは、キャラクター達がいかに大切なものか、誰よりも理解している。キャラクター達の重要性を尊重し、それらを保護しつつ効果的に活用している」とし、今後もスターウォーズのブランド性を維持していくことを示唆している。

(山下香欧)