Blackmagic Designの発表によると、マニラに拠点をおくポストプロダクションWeLovePostが、DaVinci Resolveで映画「EI Presidente (エル・プレジテンテ)」のカラーコレクションを行なったという。同作品は、フィリピン共和国の初代大統領であるエミリオ・アギナルドの伝記映画で、フィリピンがどのように独立を勝ち取ったかを描いた作品だ。

WeLovePostでは、ポストプロダクションのインフラをBlackmagic Design製品で構築しており、DaVinci Resolve、Studio Videohubルーター、DeckLink HD Extreme 3Dキャプチャー・再生カード、UltraScopeウェーブフォームモニタリング、そして多数のMini Converterを活用しているという。

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上:元画像 下:Davinci Resolveでグレーディング後

以下、WeLovePostスタッフのコメント。

カラリスト Jam Jimenez氏のコメント:
「監督は、作品のルックを他とは違う、ユニークなものにしたがっていました。そのため、あえてナチュラルなルックとは逆の色作りを心がけました。暖かみのある昼間のシーンには寒々しく、人を寄せ付けない、殆ど冬のようなグレーディングをしました。戦闘シーンのほとんどは、このようなスタイルで統一し、より不安定な、落ち着かない雰囲気を出しました」

「夜のシーンは、劇中の登場人物にとって、休息を取り次の作戦について計画する時間であるため、避難場所のような役目を果たします。そのため、暖かく、時にはリラックスした雰囲気を引き出すような色作りをしました。カメラが捉えたトーンとは正反対の方向にグレーディングしても、DaVinci Resolve の豊富なツールセットは、各ショットやシーケンスの一貫性を保つためにさまざまな方法を提供してくれました」

エディター兼技術チーフ Jason Cahapay氏のコメント:
「DaVinci Resolve があれば、さまざまなデジタルソースからのフォーマットを簡単に取り扱えて、私たちの既存のインフラに合わせて運用できるのです。カラーグレーディングソリューションでベストと言えるでしょう。そのうえ、どんどん良くなってきています。」と語るのは技術チーフの Cahapay 氏。「『El Presidente』では、ユニークであれば、さまざまなルックを試すことができました。作品の最終的なルックを、自分たちで自由に決められたんです」

「弊社では、日々さまざまなプロジェクトが持ち込まれ、その度に、いろいろな課題に直面します。今回のプロジェクトは、とてもやりがいのあるものでした。この作品のため、ワークフローを見直して、何テラバイトにも及ぶDPXファイルに対応できるようにしました。ファイル管理も課題のひとつでした。Resolveは弊社でオフライン・デイリーを生成するメインツールとなっています。それをもとにオフラインデータを作り、グレーディング前に、元のDPXファイルでコンフォームしてタイムラインを再現させました。即席のメディアマネージメント方法ですが、Resolveなしでは実現できませんでした」