メキシコで光ファイバ網を使って電話、テレビ、インターネットのトリプルプレーサービスを展開しているTotalplay Telecomunications SA(TotalPlay)が、新たに増やしたチャンネルの配信ヘッドエンドシステムに、米エンビビオ社のエンコーダ/トランスコーダを採用していることが同社より発表された。

Totalplayは、市場シェア25%のTVアステカや同5%の携帯電話会社イウサセルを所有するGrupo Salinas社(グルポ・サリナス社)の傘下。2011年初めにトリプルプレーを中心にメキシコ国内でサービスを展開し、現在は20万世帯のサービス加入者数を有する。TotalplayのOTTテレビサービスは、サービス開始当初の70チャンネルから、現在はHDで配信している50チャンネルを含め、合計260チャンネルも提供している。

チャンネルのジャンルにはローカルテレビ局の番組から、Fox、Foxスポーツ、ESPNやANX、ディズニーといった米国のメジャーなチャンネルも提供しており、VODでは2500作品以上のコンテンツを配信している。HDチャンネル検索のインターフェイスには、仏Allegro DVT社のALMosaic IPモザイクジェネレータをミドルウェアに組み込んでいる。

Totalplayはヘッドエンドシステムの拡張に、サービスクオリティの向上、省スペース化と今後も続くサービス拡張にスケーラブルに対応できるシステムとして、エンビビオ社のソリューションを選んだという。

エンビビオ社のEnvivio Museソフトウェアベースのエンコーダ/トランスコーダは、インテルプラットフォームのEnvivio 4Casterアプライアンスに搭載し、さまざまなフォーマットおよび多種多様なデバイスに対応する高品質な映像ストリーミングを可能とする。統合型アーキテクチャとソフトウェアベースの設計により、容易にアップグレードできるのも特徴の一つとしている。グルポ・サリナス社は、テレビと通信の垣根がなくなった今、ラテンアメリカのTV市場で意欲的に展開している。

TotalPlayのブランドでコロンビアにも同じサービスを展開しようと図っているほか、傘下の一社であるTotalmovieでは新たにTV Everywhereを展開、今春にブラジルとメキシコでOTTビデオサービスを開始すると発表している。リニアチャンネルのほか、VOD、キャッチアップTVを、クラウドとネットワークPVRを利用するという。

(山下香欧)