韓国サムスン・エレクトロニクスが、デジタルビデオレコーダー(DVR)のソフトウエアを開発するBoxeeを買収したことが明らかになった。買収金額などは明らかになっていないが、イスラエルの経済情報サイト「The Marker」によると約3000万ドル(約29.9億円)だという。サムスン側はBoxeeの資産および必要な人材を取り込む。充実したスマートTVのユーザーエクスペリエンスを提供することを目指す。

サムスンは今までインターネット対応のテレビセット”スマートTV”を市場で強化してきた。今年のCESでは、年内の新製品の大半がスマートTVになることを言及している。サムスンのスマートTVには、SkyPeコールやNetflixなどのストリーミングビデオサービスへのシームレスなアクセスできるソフトウェアを搭載している。しかし、これらのインターフェースやソフトウェアの仕様に関しての評価は低い。

Boxeeはパークキャピタル、ユニオンスクエアベンチャーズやソフトバンク(NY)から27億円もの投資を受けて6年前に設立した。元々、クロスプラットフォーム上でビデオを再生できる技術を開発しているイスラエルの新興会社である。

2010年には、そのソフトウェアを実装させたセットトップボックスを市場に投入している。3世代目として、昨年末にクラウドベースのDVR「Boxee TV」を登場させた。最大の利点としては、ダブルチューナー付きで番組や音楽コンテンツをクラウド側に保存するので、DVR側の記録容量に制限がないことだ。Boxeeのライブテレビ番組ガイドから様々なアプリを統括するユーザーインターフェースは非常に評価が高い。

(山下香欧)