ソチ冬季オリンピックは閉会式を無事終え、報道陣は3月7日からのパラリンピックに備えつつある。開催されてから次々と、放送技術や機材貢献をした企業から報道発表がなされてきたが、今回は米国内放送権を持つNBC(NBC Olympics)の現地スタジオについて紹介する。

米国内放送権を持つNBC(NBC Olympics)では、5チャンネルを利用して539時間分のテレビ報道とともに1000時間以上のライブストリーミングを実施した。最高視聴率を誇ったバンクーバー時よりは劣ったが、それでも平均1日2140万人の視聴者数を得たという。

NBC Olympicsは、ソチの国際放送センター(IBC)におよそ50万ft²(約4.6万m²)もの巨大スペースに独自放送施設(スタジオ)を設けたほか、ボブスレーなどの競技場所であるサンキ・スライドセンターにもサテライト施設を設置した。IBC内のスタジオの構築は8か月以上の月日が費やされたという。本拠地のコネチカット州スタンフォードの放送センターには、NBCスポーツ中継製作部門のNBC Sportsが専用スタジオを構築し、現地からの中継番組やハイライト番組を制作した。

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IBC内には放送スタジオが2施設(スタジオA/B)ある。スタジオAには直径5mほどのライブビデオフロアが敷かれ、スタジオを覆うように三面体にスクリーンが設置された。プレキシグラスの氷瀑(ひょうばく)にコンピューター制御で色が変わるLED照明が何千フィートも埋められた。冬と氷の雰囲気を出すために5トンものアクリルを使用してスタジオ内を覆った。各コントロールルームでは、ソニーMVSライブスイッチャーと連携をとった米アベカス社のMiraプロダクションサーバと、Triaクリップサーバからスタジオのオンセット・ディスプレイにループ再生などを施した。

またオリンピックでは前例がないという、IBCから離れたサンキ・スライドセンターにも同じ仕様のリモートスタジオを設置した。こちらのスタジオは本拠地の放送センターのスタジオの設計をベースに設けられ、同じくソニースイッチャーとTriaクリップサーバの組み合わせでライブソースやグラフィッククリップがスタジオのオンセットへ送出された。

NBCやNBC Sportsの放送スタジオでは、以前からソニー製ライブスイッチャーとアベカス製サーバの組み合わせを数多く利用していることもあり、今回のオリンピック現地でのスタジオでも採用したという。

コムキャスト傘下のNBCユニバーサルは、2020年までの夏季・冬季オリンピック(五輪)の国内テレビ放映権を約3500億円で獲得しており、同傘下のNBCは1988年以降の夏季、2002年以降の冬季全大会を放映してきている。

3月に始まるパラリンピックの放送に関しては、開会式の模様を含めて52時間のテレビ放送(うち27時間分が生中継)を実施する。日本ではスカパーJSATが日本初となる24時間パラリンピック専門チャンネルを開局して200時間以上の放送を実施するという(うち60時間が生中継)。今季では5競技、72種目が行われる。

(山下香欧)