総務省は2014年4月23日に第二回目の「4K・8Kロードマップに関するフォローアップ会合」を開催した。次世代放送推進フォーラム(NexTV-F)を始めCATV事業者、IPTV事業者たちが揃い、4K試験的放送を2014年6月から開始する計画を明らかにした。

NexTV-Fによれば、東経124/128度CS衛星による4Kテレビの試験放送(試行的放送)を6月2日から開始するという。スカパーJSATの124/128度CS放送のプラットフォームを活用し、NexTV-F主体の放送サービスとして実施する模様。番組編成や受信方法など、放送開始時点の具体的な内容については検討中とのこと。

ブラジルワールドカップの日本代表初戦は6月15日。そして開幕前の日本代表とコスタリカ代表の対戦が米国で6月2日に開催される。それに合わせてのタイムスケジュールがひかれている感があるが、ワールドカップに向けて4K中継放送が可能なのか、またワールドカップの放送権についてもまだ調整がついていない。

ケーブル事業者も、衛星4K放送と同時期に放送開始をする意向だ。ジュピターテレコム(J:COM)も6月からRF方式とIP方式の両方で、新4K STBを使って4Kの試験的放送を行う。採用する予定の4K STBは、RF専用型とRF/IPハイブリッド型の2種類で4K/60p映像が視聴可能だという。

J:COMでは当初、全国のJ:COMエリアの約20ヶ所に受信機を設置し、パブリックビューイングを実施、またVODサービスである「J:COMオンデマンド」の仕組みを利用し、4Kコンテンツのオンデマンド配信実験も予定している。KDDIはFTTH回線を使った検証を経て、J:COMからの4K放送信号をIP方式で伝送する。

また、日本ケーブルテレビ連盟もJ:COMの協力を得て6月から試験的放送を実施する。連盟会員の42事業者が4Kサービスを展開する予定で、6月当初は27事業者が開始する予定。これらケーブル事業者には、J:COMから日本デジタル配信社経由で4K信号が提供される仕組み。

IPTVのNTTぷららは、4月8日から既に商業の光回線(フレッツ光ネクスト)を利用した4K-VOD配信トライアルを始めており、実際の商用サービスは10月から開始することを発表している。トライアルに使用しているSTBは、住友電工ネットワークス社が開発した、ViXS Systemsチップ搭載の4K60p/HEVC対応のもの。NTTぷららが自主制作したドキュメンタリー「下町ボブスレー」などの10作品を30Mbpsで配信している。

(山下香欧)