米アーキメディア・テクノロジーのマルチフォーマット・リファレンス・プレイヤー「Archimedia Master Player」が来週7月2日から東京・ビッグサイトで始まる“プロダクションEXPO東京”にて、初めて国内で紹介される。

グループ7社で出展するイマジカ・ロボットグループのブースにて、実機デモンストレーションが行われる。今回展示されるMaster Playerは4K/UHD編集向けワークステーションに搭載したターンキーで展示され、放送局・プロダクションユーザーから一番リクエストが多かったという、クローズドキャプションおよび字幕表示に対応した最新版2.1だ。FCC(連邦通信委員会)が米国において、テレビ放送だけでなくインターネット配信まで字幕表示を必須としたことが理由だろう。Master Playerの米放送関連ユーザーは、三大キー局、DIRECTV、Netflix、Fox、Disneyなど。

バージョン2.1は現在、米国仕様だけでなく、80種類の外部字幕フォーマットと50の映像に埋め込みされた字幕フォーマットに対応する(外部字幕フォーマットの例:.srt(DVD, PC)、.scc(SD、Final Cut)、.smi/.sami(Microsoft)、.stl(EBU standard)、.itt(iTunes)、SMPTE Timed Text(ST 2052-1)、.xml(DCP))。日本のNAB/ARIB字幕は現在、検証中。

Master Playerは、JPEG2000やデジタルシネマフォーマットまで再生できるファイルベースのリファレンス・プレイヤーで、DPXやTIFFといった連番ファイルからSMPTE IMF、HEVC、XAVCといった様々なフォーマットのビデオファイルを、マスターグレード精度で既存のディスプレイに再生できるのが最大の特徴。

SDIおよびHDMIの表示装置上でも、正しい色に表示することを可能にするカラリメトリ制御が施されている。テストパターンでアスペクトからクロッピング、カラーなどのチェックが行える。従来のVTRのようにRS-422経由のコントローラでジョグ/シャトルしながらオーディオスクラブなども対応。オーディオファイルに関しては、ルーティング機能も装備している。

アーキメディアは、Front Porch Digitalと一緒になったSAMMAのリーダー達が集結した新興開発会社。SAMMAはビデオテープをファイルベース環境に合わせてデジタルマイグレーションするコンテンツ管理ソリューションで、マルチフォーマットエンコードとメタデータ管理を有する。海外プロダクションではMaster PlayerをSAMMA管理下のコンテンツファイルのクオリティ管理で利用しているケースも多い。

14日間使用できる試験版は、アーキメディア公式サイトより無償でダウンロードできる。インストールするPCの最小構成は、Windows 64bit、CPU/i7プロセッサ以上。4K/UHDファイルの再生には8コアCPUと高速ドライブが必要。

(山下香欧)