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世界が注目する一大スポーツイベント「2014 FIFA World Cup Brazil」にて、各国ともさまざまなテクニックを用いて実況中継が施されている。特に4Kに関しては、FIFA自身も支援しており、放送機材提供者として提携しているソニー社と一緒に、来週13日の決勝まで3試合の中継を4Kで実施している。BBCやTV Globoを含め11の放送局でも、このFIFA+ソニーが捉える4Kフィードを使って各国へ向けて放送を行っている。

現場では、FIFA放送運営を統括するHBSのもと、ライブプロダクションのオペレーションを英Telegenic社がサポートする。4K対応中継車は、国内放送権を持つGlobosatから出動している。中継車のビデオコントロールエリア(インスタント・リプレイ)には、20チャンネル対応のMVS-7000XスイッチャーやPWS-4400 XAVCサーバ、EVSサーバ、PVM-X300 4Kモニターや4KリアルタイムグラフィックにViz Trioが搭載され、オーディオコントロールエリアには、Lawo mc²56ミキサーが搭載されている。

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4K収録が行われるマラカナン・スタジアムには、12台のF55カメラ(レンズはフジノン製)が設置された。また今回はスローモーションリプレイに、F65のハイスピード(120fps)対応が試験的に使われている。また8台のHDカメラからのソースもアップコンバートして、主に4Kカメラでの捉えが難しいクローズアップなどで利用している。

昨年から経験値を積み重ねている4Kプロダクションにおいて、未だ調整が厳しいのは、現場でのカメラワークだという。シネマレンズのため、スピードあるスポーツ競技でのピントの合ったクローズアップ撮影は非常にテクニックを要する。

現地時間7月4日に開催された準々決勝の欧州対決にて、2回目の4K中継が行われた。ブラジルでは、TV Globoが市内でのパブリックビューイングを実施しており、またGlobosatはSporTVチャンネルで4K中継を放送している。

(山下香欧)