ビデオ圧縮技術の特許を持つ米Broadcast International (BI)は、その独自技術に新たな技術を加えたことで特許申請をしていたが、ようやくその申請が下りたようだ。

BIの独自ビデオ圧縮技術は「CodecSys」と呼ばれ既に特許認可されていたもので、今回申請された部分は、その技術をコアにして、新たに「polymorphic(ポリモーフィック)」コーデックというマルチコーデックのビデオ圧縮技術が加えてある。

スポーツ試合の映像や映画のアクションシーンのように動きが激しいシーンは帯域幅に非常に影響するもので、コーデック変換の際の難点だった。CodecSysは、衛星やケーブル、IP経由でビデオを配信する場合に、その帯域幅条件に合わせてビデオフレームまたはストリームの映像圧縮レベルを自動に調整し、条件に合ったコーデックに切り替えながらストリーミングできるため、昨今の求められている画質の高いビデオ映像配信、つまりHDTV映像を既存の帯域で配信しなければならない場合に効力を発揮するという。

コアのビデオ圧縮技術CodecSysは2007年夏に特許が下りており、今回は新しく、ターゲットのデータレートを保つために各単一コーデックを自動に切り替えられる技術が特許内容に加えられた。この技術を使ったアプリケーション・システム「Super codec system」も特許内容の1つで、単一映像シグナルを制御するマルチコーデックのサブセットに、映像シーン毎に自動的に分析する圧縮メソッドを加えてあり、高画質を保ちつつも一番低い帯域で映像を配信できるもの。

CodecSysはオープンアーキテクチャ志向で、ハードウェアに依存しないという。現在対応できるフォーマットは、H.264のみだが、近々MPEG2およびJPEG2000の対応も予定されている。

現在インテグレートされたシステムは、「CodecSys CE1000」というIBM Cell Broadband Engine™マルチコア・プロセッサ搭載のブレードサーバ(IBM QS21)にアプリケーションを搭載したもので、HD画質映像を3Mbps以下に抑えてストリーミングできるスペックを持っている。