キヤノンは、同社のデジタルシネマカメラ「EOS C500/EOS C500 PL」と「EOS C300/300PL」のファームウェアおよび、「EOS C500/EOS C500 PL」で撮影される4K Cinema RAWデータの現像ソフトウェアをバージョンアップした「Cinema RAW Development 1.3」の無償提供を2014年11月より開始すると発表した。ファームウェアアップデートは以下の内容が予定されている。

(以下、プレスリリースより引用)

■次世代放送規格ITU-R BT.2020の色域対応(対象:EOS C500/EOS C500 PL)
4K試験放送に採用された放送規格ITU-R BT.2020の色域で、高精細な映像の撮影が可能になります。キヤノンの業務用4Kディスプレイ「DP-V3010」(2014年1月発売)と合わせて、映像の入力から出力まで、次世代の映像制作・放送業界のニーズに応えていきます。

■Cinema RAW Developmentの機能向上
4K Cinema RAWの色域Cinemaシネマ Gamutガマット/DCI-P3+プラスを汎用性の高いITU-R BT.709やDCI-P3へ変換するための3D-LUTがCinema RAW Developmentに追加されます。これにより、低彩度の色再現と、高彩度(色域外)の色の階調を維持しながら、効率的な映像編集が可能になります。また、EDLに対応するため、必要なタイムコード区間のみを映像編集に適したDPXやProResのフォーマットに変換できるようになり、不要なファイルを現像する必要がなくなります。さらに、米インテル社の「インテル®Iris™ Proグラフィックス」が搭載されたPCを用いることで、4K Cinema RAWをより高速に現像可能になります。

■ホワイトバランスの色温度設定における操作性の向上(対象:EOS C500/EOS C500 PL/EOS C300/EOS C300 PL)
カメラ本体にある「FUNC」ボタンからホワイトバランスの色温度設定エリアが選択可能になります。これにより、簡単な操作で色温度が設定でき、操作性が向上します。

また、9月12日~16日(現地時間)にオランダで開催される放送機器展「IBC2014」の同社ブースにおいて、ITU-R BT.2020の色域などに対応した製品を展示予定だ。