ソニーは、4K Exmor Super35mm CMOSイメージセンサー(総画素数約1160万画素、有効画素数約880万画素)を搭載し、4K XAVC(QFHD)での本体記録に対応した、レンズ交換式XDCAMメモリーカムコーダー「PXW-FS7」(本体のみ)と「PXW-FS7K」(レンズ付属)を発売する。PXW-FS7は2014年10月23日発売で、希望小売価格は税抜980,000円。Eマウント電動ズームレンズ「SELP28135G」が付属するPXW-FS7Kは2014年12月発売で、希望小売価格は税抜1,280,000円。

PXW-FS7は、4K Exmor Super35mm CMOSイメージセンサーを搭載し、基準ISO感度2000の高感度、トータル14stopの広いダイナミックレンジを実現。4K本体記録のフレームレートは59.94p、50p、29.97p、25p、23.98p。スロー&クイック機能(4K時:1~60fps)も搭載。また、600Mbpsの高ビットレート(4K/60p XAVC)による収録が可能で、フルHDでは180fpsでの連続撮影により最大7.5倍のスローモーションが可能。4K RAW収録時は23.98pコンテンツを59.94p収録することにより、最大2.5倍のスローモーションが可能。

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拡張ユニット「XDCA-FS7」

拡張ユニット「XDCA-FS7」(2014年11月発売、税抜250,000円)の装着により、Vマウントバッテリーが使用できるほか、RAW OUT端子やTime Code/GenLock/DC-Out機能が拡張され、複数台撮影に対応。また、本体のファームアップデートにより、XDCA-FS7を使用したProRes記録にも対応する(アップデートは2014年度第4四半期を予定)。さらに、XDCA-FS7にインターフェースユニット「HXR-IFR5」とRAWレコーダー「AXS-R5」を組み合わせることで、4K/2K RAW記録も可能。4K(4096×2160)RAW記録時のフレームレートは23.98p、30p、59.94pで、2K(2048×1080)記録時は240/120fpsの連続収録も可能だ。記録されたRAWデータのワークフローは、CineAlta4Kカメラ「PMW-F55/F5」と「AXS-R5」を用いてRAW収録した場合と共通だという。

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I/Fユニット「HXR-IFR5」とRAWレコーダー「AXS-R5」で、RAW収録にも対応可能

記録フォーマットは、XAVCとMPEG HD422の2種類。XAVCはH.264/AVCコーデックによる2種類の圧縮方式(IntraFrame方式、LongGOP方式)に対応。IntraFrame方式は4K/フルHD共に4:2:2 10bitでの収録が可能で、最大600Mbpsの高ビットレート撮影に対応している。LongGOP方式は、フルHD時には4:2:2 10bit 50Mbps、35Mbps、25Mpsの撮影が可能。撮影データはXQDカードに収録。PXW-FS7の発表に合わせ、最大容量が128GB、400MB/sの読み出し・350MB/sの書き込みを実現したXQDカードGシリーズ(2014年10月24日発売)を新たに発売するという。

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アサイナブルダイアル・ボタンが配置されたグリップ

カメラボディには、回転・伸縮などが可能なグリップ、グリップアーム、ビューファインダー機構を搭載したエルゴノミックデザインを採用。撮影シーンに応じて変化する撮影スタイルに、リグの装着などのセッティングを必要とせず、本体のみでフレキシブルにアレンジが可能だとしている。グリップおよびハンドルにはズームレバーを装備し、電動ズームに対応したEマウントレンズと組み合わせてズーミングが可能。また、グリップには各機能・設定を出来るアサイナブルダイアル・ボタンが配置されており、アイリスや感度の変更、拡大フォーカスなどの操作が可能だ。ハンドル上部のコールドシューをはずすことでハンドル内部の1/4ねじを使った、外部モニター等の各種アクセサリーを装着可能。スタジオ撮影などでマットボックスやレコーダーのような別装備が必要な場合には、ライトウェイトロッドサポート「VCT-FS7」(2014年11月発売、税抜120,000円)が用意されている。

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カメラボディは、回転・伸縮などが可能なグリップ、グリップアーム、ビューファインダー機構を搭載したエルゴノミックデザインが採用されている

PXW-FS7は、S-Gamut3/S-Log3やS-Gamut3.Cine/S-Log3等のログカーブに対応。S-Log3は、「NEX-FS700R」等に導入されているダイナミックレンジ1300%を実現したS-Log2より基準階調(18%グレー)を明るく設定しているため、ダイナミックレンジは1.5Stop分拡張するという。さらに、S-Gamut3.Cineの色域は、デジタルシネマで使用される広い色域DCI-P3の色再現がしやすいよう作られ、S-Gamut3の色域は、実在するほぼすべての色を再現できるためアーカイブに適しているとしている。なお、本体ファームウェアアップデートによりS-Log2の使用も可能になる(アップデートは2014年度第4四半期を予定)。

レンズマウントは、αマウントシステムに対応。Aマウント、Eマウント合わせて55種類のαレンズが使用可能。短フランジバックというEマウントの特長により、他社製アダプターを介することでさまざまな種類のレンズが装着可能。また、PXW-FS7Kは、ズームリング、フォーカスリング、絞りリングの3連リングを備え、Eマウント電動ズームレンズ「SELP28135G」(FE PZ 28-135mm F4 G OSS)を同梱する。レンズの光学設計には、フォーカス時の画角変動(ブリージング)やズーム時の軸ずれ/フォーカスずれを最小限に抑止する同社独自のSMO機構を採用することで、動画撮影時に必要とされる性能を満たし安定した映像を可能しているという。

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カードスロットはXQDを2系統装備。同時記録機能及びリレー記録機能に対応。リレー記録機能では、一方のメディアがメディアフル状態になった際に、自動でもう片方のメディアに引き継ぐ。同時記録機能では、2系統同時に同じ映像を記録できるだけでなく、片方のメモリーは任意に撮影しつつ、もう一方は録画を継続するバックアップ運用にも対応する。

PXW-FS7のタッチ&トライイベント「FS7:First Contact」を開催

来る2014年10月8日~9日に銀座ソニービル8階 OPUSにてPXW-FS7のタッチ&トライイベント「FS7:First Contact」を開催する。会場には、PXW-FS7やPMW-F55、NEX-FS700R、α7Sなどが展示される。同イベントでは、PXW-FS7や同社製大判カメラで撮影されたコンテンツの上映、マリモレコーズ江夏由洋氏によるPXW-FS7のフッテージ制作レポートなどのセミナーも行われる予定だ。本イベントへの参加は無料だが事前の登録が必要だ。イベント情報の詳細確認や申込登録は以下より。
http://www.sony.jp/professional/event/info/pb20141008.html