キヤノンは、EFシネマレンズの新製品としてCINE-SERVOレンズ「CN20×50 IAS H/E1(EFマウント)」および「CN20×50 IAS H/P1(PLマウント)」を、2015年4月下旬より発売する。希望小売価格は税抜810万円。

CN20×50 IAS H/E1およびCN20×50 IAS H/P1は、焦点距離50-1000mm、ズーム比20倍のEFシネマレンズ。エクステンダー(1.5倍)を内蔵しており、4K光学性能を保ちながらズーム域を75-1500mmへ切り替え可能だ。円形に近い開口形状を保つことのできる11枚絞り羽根を採用しており、柔らかく自然なボケ味を実現。口径比(Tナンバー)はT5.0~T8.9(内蔵エクステンダー使用時:T7.5~T13.35)。大口径非球面レンズの採用や、同社独自のフォーカス方式と光学シミュレーション技術に基づいた光学配置により、各収差を良好に補正し、広角から望遠までのズーム全域や、画面の中心部から周辺部まで、4Kカメラに対応する高解像度を維持する光学性能と可搬性を両立したとしている。スーパー35mm相当サイズセンサー搭載の4Kカメラに対応する。

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ドライブユニットを外した状態

着脱可能なドライブユニットの搭載により、従来の放送用レンズ同様の電動駆動によるレンズ操作が可能で、広角端から望遠端までを1.5秒から180秒のさまざまなスピードでズーム制御が可能。ドライブユニットを取り外すことで、マニュアル操作にも対応する。

16bitエンコーダー出力機能の搭載により、バーチャル映像出力が可能。また、電源が供給された直後にレンズのフォーカス/ズーム/絞りの位置検出を行うため、初期化動作が不要で、システムの即時起動が可能。ドライブユニット再装着時には、フォーカス/ズーム/絞りの各ギアの位置合わせが不要で、各ギアを任意の回転位置に設定したまま装着可能だ。

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12pinレンズケーブルを標準装備

12ピンシリアル通信に対応し、一般的な放送用レンズと同様に、フォーカス/ズーム/絞りの位置データのカメラ本体への送信や、リモート操作などが可能。CN20×50 IAS H/P1は、Cooke社の通信規格「/i Technology」にも対応しており、フォーカス/ズーム/絞りの位置データやレンズの型名などのレンズ情報を対応カメラへ送信可能だ。

フォローフォーカスはドライブユニットを装着したまま使用可能で、ピッチが0.8mmと0.5mmの2つのギアをフォーカスリングに搭載し、電動駆動系アクセサリーやマットボックスなどの多様なアクセサリーが装着可能。また、フォーカスの指標を、撮影者から確認しやすいレンズ外装の傾斜面に表示。フォーカスリング目盛の「m(メートル)」表示と「ft(フィート)」表示の併記や、鏡筒部分への焦点距離表示、左右両側への指標表示など、ワンマンオペレーションにも適応する視認性も実現したとしている。