今年のNABで新たにカメラやフィルムスキャナーなどを発表して来場者を驚かせたブラックマジックデザイン。国内でこうした製品が公開されるのを心待ちにしていた人も多いだろう。国内だけでなく海外でも4K放送への対応を表明した国もあるという事情もあるが、今年の同社は特に新製品の数が多いようだ。一例を挙げるとカメラではBlackmagic URSAが4モデル、Blackmagic Studio Cameraが今までのカメラの路線とは異なるコンセプトのカメラとして発表されたほか、Cintelを買収したときにある程度予想はされたもののフィルムスキャナーBlackmagic Cintel Film Scannerが発表された。ほかにもソフトウェアベースの製品としてバージョンアップしたDaVinci Resolve 11やFusion7がある。

同社の展示会のスタイルは昨年とほぼ同様で、スペースの違いこそあるものの基本的に海外でも同様のスタイルだ。あまりにも新製品の数が多いので、最も注目されそうなものを中心にピックアップしてみよう。カメラではBlackmagic URSAが筆頭に挙げられるだろう。URSAにはスーパー35mmセンサーを搭載したPLおよびEFマウントモデルのほか、放送用ENGカメラ標準のB4マウントモデル、センサーレスの計4モデルがある。PLとEFは販売を開始しているがB4とHDMIは発売も価格も未定となっている。InterBEE会期中の20日にファームのバージョンアップがアナウンスされ、フレームレート5〜80fpsまでの収録とCinema DNG 12bit RAWフォーマットのサポート、カメラでCFastカードのフォーマットが可能になったほか、2.35:1、1.85:1などのオンスクリーンのフレームガイドの表示がサポートされた。Blackmagic Studio Cameraは特異な形状をしたカメラでイベント収録やCATV局などの用途向けと言えそうだ。Blackmagic Cintel Film Scannerは16mmと35mmフィルムに対応しており、Thunderbolt 2を介して4Kでの取り込みが可能だ。

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Blackmagic URSA PL。会期中にファームのアップデートがあったURSAだが、ユーザーによるアップデート可能な4Kカメラというキャッチフレーズにある通り、無償で提供されたファームをカメラ底部のUSBを使って簡単に行うことが可能

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Blackmagic Studio Cameraはカメラらしからぬデザインだが、基本的な使い方は同じだ。同社のATEMスイッチャーから複数台のカメラをコントロールできるので、小規模なスタジオなどにはピッタリといえよう

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Blackmagic Studio Cameraのモニター画面は単に大きいだけでなく視認性もよい。設定時のメニュー階層も深くなく、操作も簡単だ

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Blackmagic Cintel Film Scannerは今後の4K/8K放送に向けて過去のフィルム資産を有効に利用するために有効な製品といえそうだ。価格も300万円ほどなので、インディーズ系の映画制作を行っているプロダクションでも手が届く