Blackmagic Production Camera 4K EF

Blackmagic Designの発表によると、ヒラリー・ダフの歌詞つきミュージックビデオ「All About You」の撮影にBlackmagic Production Camera 4KおよびBlackmagic Cinema Cameraが使用されているという。同ミュージックビデオの撮影を担当したのは、ロサンゼルスの制作会社Nightjar。フェリックス・マック氏、ジュリアン・マック氏の兄弟が指揮をとる同社は、ビデオ、アニメ、編集、音声など、マルチメディア・コンテンツの制作を専門としている。

「All About You」の制作では、撮影、編集、アニメート、ポスプロを含め、発案から完成までにマック兄弟に与えられた期間は7日間のみであった。

ジュリアン・マック氏:ヒラリー・ダフのようなアーティストに関する制作では、限られた時間に信じられないほどの作業が求められます。同ミュージックビデオはすべてクローズアップなので、ヘアーやメイクのセットが非常に重要で、撮影に残された時間は70分ほどしかありませんでした。

しかし、ヒラリーが非常にプロフェッショナルで素晴らしいパフォーマーであり、Blackmagicカメラのワークフローで驚異的なフッテージを簡単に実現できたので、それ以上の時間は必要ありませんでした。

歌詞つきミュージックビデオでは、音楽に合わせて歌詞がスクリーンに表示される。マック兄弟は被写界深度の浅いクローズアップを使用して、ヒラリー・ダフに接近したルックを作成した。セット、背景、小道具などが一切使用されていない同ビデオでは、ヒラリー・ダフと曲の歌詞に焦点が当てられており、歌詞のアニメートや編集はポストプロダクションで行われた。

ジュリアン・マック氏:このビデオでは、オーディエンスとヒラリーだけの空間を表現したいと考えていました。私たちは必要最小限を主義としています。このビデオの制作にも、そのスタイルで臨みました。親近感があって、質素でプライベートな雰囲気を表現したかったんです。Blackmagic Production Camera 4KをAカメラ、Blackmagic Cinema CameraをBカメラとして使用し、2つのアングルから同時に撮影しました。

セットも背景も使用していません。使用したのは照明だけです。カメラのダイナミックレンジ、ディテール、色再現は、可能な限り優れているものが必要でした。グリーンバックの前の髪や、顔の勾配など、可能な限りのディテールを捉える必要がありました。Blackmagicカメラのおかげで、キーイングを上手く行い、映像を作成できました。

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カメラマンであるフェリックス・マック氏は、スチルカメラを使用する際のように、撮影中の柔軟な動きやフレーミングに対応したいと考えていた。マック兄弟はヒラリーのパフォーマンスに即興で対応できるよう、カメラを一脚にマウントして撮影に備えたという。

ジュリアン・マック氏:カメラの動きやフレーミングは、事前には計画しませんでした。好きなようにパフォーマンスしてもらい、目を引く場面を撮影するというのがアイデアでした。曲全体を数テイク、2アングルから撮影しただけです。曲の最初から最後まで撮れていれば、あまり多くのテイクは必要ありません。ヒラリーはそれほどプロフェッショナルなんです。

被写界深度が非常に浅かったので、繰り返しフォーカスを合わせる必要がありました。ヒラリーとフェリックスと私は絶えず動き回っていました。ピントが合ってまた消えるという映像を作るためには、それが大前提だったんです。本当に大変でしたが、Blackmagicカメラをスチルカメラのように扱い、持ったまま使用することで、この作業を実現できました。片手で本体を支え、もう片方の手でフォーカスリングを調整しながら作業しました。カメラのフォーカスピーキング機能とキヤノンレンズの光学手ぶれ補正機能は、必要不可欠でした。

ProResで収録した後、マック兄弟はBlackmagic Production Camera 4Kを活用してフッテージのリフレーミングを行い、ポストプロダクションで4Kをクロップして追加の動きやエフェクトを作成した。ProResでの収録は、ポストプロダクションでの処理の効率化にも役立ったという。