屋内外問わずできるロボットカメラシステム「PIXIO」を紹介する。1月に開催されたCES2015が初めての一般公開となったPIXIOは、仏Move ‘N Seeが開発している業界初めての屋内用ロボットカメラシステム。従来のようにGPS追跡技術を使わず、レーダー誘導技術を利用することで屋内でのトラッキング機能を可能にした。

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PIXIOでは1mから最大100mの距離内で利用でき、ウェアラブルのトランスミッター(タグ)を装着している被写体を追いかけて360度パンニング、ズームしながら撮影する。屋内での撮影であればズームだけで十分で、チルトの動作は必要ないという。トラッキング速度は秒速90度。たとえば、20m離れたところだと100km/hの速度で動く。PIXIOにマウントできるカメラはカムコーダーからDSLR、アクションカムと問わず、トランスミッターから撮影のオンオフやズーム機能が反映できるカメラモデルも幅広い。PIXIOのバッテリーはリチウムイオンで、USBで充電を行う。稼働時間は3時間程度。タグはワイヤレスで充電でき、一回の充電で4時間駆動する。

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PIXIOは1台で16個のタグを、また16台のPIXIOで1個のタグを認識できる。複数のタグの場合は距離の一番近いタグ、もしくはタグからPIXIOを呼んで接続する。またはリリースされるリモートアプリで、自由にPIXIOとタグを結び付けられる。インドアのチームスポーツのトレーニングなどでトレーナーが撮りたい選手のタグとPIXIOを自由に変えられる。このリモートアプリではタイムラプスの時間間隔を設定する機能がつくようだ。

本体は800g、タグは70g。製品は現在、最終的段階のプロトタイプで量産に向けて予定を進めている。出荷は9月頃を予定。価格は現在IndieGoGoで499ドル~599ドルに設定されている。日本での発売は未定だが、IndieGoGoでは日本への出荷も受け付けている。Move ‘N Seeは既に2011年に一般のGPSを利用する屋外用ロボットカメラ「E-FullMotion」をリリースしている。E-FullMotionは1km範囲まで認識し、カメラのチルトも自動化されている。

(山下香欧)