GoProは自ら仮想現実(VR)市場に乗り出す。先週27日に米カリフォルニアで行われたコード・カンファレンスにてGoProのニック・ウッドマンCEOが新しい製品として、マルチカメラアレイを紹介しながら公言した。

先月初めに買収したフランスの新興企業Kolorの技術を発揮させるようだ。Kolorは画像や映像をシームレスにつなぎ合わせられるインタラクティブなソフトウェアをインテグレーションできる技術を持っている。

GoProは、Oculus RiftやSamsung Gear VRといったヘッドセットの登場で今後、これらツールと互換性を持ちユーザーがコンテンツを作りやすくなる環境が広まると見ており、これらヘッドセットやモバイル、Webを対象とした球体映像を制作する環境を整えていくという。既にサンプルとして、地上、空中、海上での360度4K映像をYouTubeチャンネルにて公開している。Google Chromeブラウザであれば、マウスで動かして自由な視点で映像を見られる。

Kolorの360度プレイヤーアプリはGoogleのカードボードに対応している。360度映像を撮るギアとしてGoProを6基マウントできるアレイが386.10ユーロで発売されている。

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Kolorで発売されているマウントアレイ

またGoProでもマウントアレイがプロフェッショナルソリューションストアに登場しており、今秋に発売とされている。

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GoProが秋口に発売する予定のマウントアレイ

GoProがVR参入について公に話をした後日に、Googleでも16基のGoProを円形アレイにマウントしてバーチャル映像を作り出すソリューションが公開された。Googleのカードボードで楽しめるVRコンテンツを作成するシステム「JUMP」だ。JUMPは、16基のGoPro HERO4を利用する円周撮影カメラシステム(JUMP Camera)で撮影し、アセンブラによる撮影した動画をVR用に加工して、YouTubeで再生するまでのシステムになっている。JUMP用の360度撮影カメラの仕様もオープンソースになる予定。

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さらにコード・カンファレンスにて、噂されていたドローン開発についても正式に進めていることを明らかにした。ウッドマンCEOはクアッドコプターのスペックや価格帯など詳細は明らかにしなかったが、2016年の中頃には出荷できるよう進めていると語った。

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© Asa Mathat for Re/code

ウッドマン氏:僕ら(GoPro)にクアッドコプターを作って欲しいって?(参加者に向かって)どうですか?みなさんはGoProにクアッドコプターを作ってもらいたいですか?…はい、わかりましたよ。GoProはクアッドコプターを作りますよ、確かに。オフィシャルとして言います。

(山下香欧)