米アマゾンプライム会員向けのビデオ配信サービス「Prime Instant Video」では、25日(米国現地時間)からオリジナル番組「Mozart in the Jungle(モーツァルト・イン・ザ・ジャングル)」の4K(UHD)バージョンが、ハイダイナミックレンジ(HDR)で配信が始まった。昨年にリリースされたパイロット版「Red Oaks(レッドオークス)」も、HDR対応で同日から配信されている。

Prime Instant Videoは米国で登場して以来Netflixの最競合相手と言われるように、番組の自主制作から4K UHD対応、劇場作品制作などNetflixの独自路線を追いかけてきた。今回のHDR対応コンテンツについても、Netflixが「マルコ・ポーロ」をプロモーション用にHDR対応にリマスターし、年内にHDR対応の番組を提供することを公言していたことを受けて、行動に出たように見える。

今年のCESでNetflixがHDRコンテンツを再生していたテレビデバイスは、サムスンのUHD TVだった。今回のアマゾンもSUHD TVが最初の対応デバイスとなっており、テレビ上のアプリから再生すればHDRの色域で観られる。HDR対応コンテンツの視聴に特別料金は必要ない。現在、HDRの色域を再現できるテレビとして市場に出てくるのはソニー、パナソニック、LG電子。有機EL技術や量子ドット技術、ローカルディミング(局所輝度制御)などを駆使しHDMI 2.0aを搭載したディスプレイとなる。Dolby VisionのHDR対応にVIZIOリファレンステレビシリーズが予定されている。

「Mozart in the Jungle」はフランシス・フォード・コッポラ監督の息子、ロマン・コッポラ氏が脚本を手掛けたオーケストラを舞台にクラシックミュージシャンが繰り広げるヒューマンコメディドラマ。シーズン1は2014年2月から配信されている。Red Oaksは80年のゴーゴー時代を背景に高級カントリークラブでバイトをするテニス学生選手を主人公にしたコメディドラマ。両作品とも最初のエピソード、パイロットのHDバージョンは無料で視聴できる(日本では非対応)。

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パイロット版Red Oaksはデヴィッド・ゴードン・グリーン監督が撮った

(山下香欧)