CFast2.0規格のメディアカードを標準記録媒体に持つ4Kプロフェッショナルカメラは、ARRI AMIRA、Blackmagic URSA/URSA Mini、キヤノンXC10や今秋に発売予定のEOS C300 Mark IIなどが揃う。

ところでCFast2.0準拠カードは256GBカードで18万~19万円、128GBカードで11万円前後と高価だ。4K30p RAWの場合、128GBのシングルカードで記録できる時間は5分程度。60pは2枚のカードが必須となる。ARRI AMIRAならばまだしも、カメラ本体が40万円程度のBlackmagic URSA Mini 4Kに10万円レベルのCFast2.0カードを使っていくのは厳しい。それではCFast2.0カードの市場価格が急降下するのを祈りつつ、サードパーティ製の外部レコーダーで圧縮フォーマット記録を使っていくのか?

そんな咎められる環境を察してC-Box SSDシステムが生まれた。C-Box SSDはSSDをCFast2.0対応の4Kカメラで使えるようになる。SSDならば長時間記録できる1TBモデルでもCFast2.0カードの半額程度で入手できる。

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メモリー残量が少なくなるとワーニングメッセージがスクリーンに表示される。表示のタイミングは残量(%)を設定することでカスタマイズ可能

C-Box SSDはボックス型のデュアルSSDベイで、CFastスロットを持つ4Kカメラとの直結インターフェイスを持つ。汎用のレコーダーのようにカメラからのデータをエンコードして記録する方式ではない。カメラが内蔵ディスクとして認識するため、そのままスルー(非圧縮)もしくはカメラ自身が内蔵メディアカードに記録する解像度およびフレームレートでSSDに直接記録することができる。データはメディアに奇数、偶数フレームで書き込まれ、編集システムで連番再生、編集を行う。

C-Box SSDのマウントは標準の1/4インチねじでリグやスレッドに実装する。電源はアントンバウアーバッテリーシステムや、通常使っている5Vバッテリー、さらにスマートフォンやタブレット用のバッテリーパックから供給できるようになっている。

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システム検証についてはキックスターターのサイトで多数のベータサイトからの評価と一緒に逐次アップデートされており、Samsung 850 Pro 1TB(2枚)を使用して4K60p非圧縮RAW、および同SSD1枚を利用して30pでカードがフルになるまで収録を行った結果、ドロップフレームや破損といったエラー検出が見られなかったという。ハイフレームについては、4K80pを3:1圧縮で1時間程度収録できることも確認されている。C-Box SSDは現在、キックスターターにて499.95ドルで予約販売中。初期出荷は8月中の予定。

(山下香欧)