「ライフ・オブ・パイ」の監督アン・リー氏

今年のNABでは4月16日から2日間、SMPTEの協賛のもと「The Future of Cinema Conference(シネマの未来会議)」が開催される。本会議のトピックは最新映画制作技術としてHDR、HFR、そしてVR拡張現実、学生映画制作などだ。

今年はオスカー受賞映画監督のアン・リー氏が基調講演を務める。映画製作環境の展望から、米国で今年11月の退役軍人の日に封切予定の「Billy Lynn’s Long Halftime Walk(ビリー・リンのロングハーフタイムウォーク:ソニーピクチャーズ配給)」を、デュアルレーザープロジェクターを使用して4K HDR、3D立体を120fpsフォーマットで初披露する。ビリー・リンは映画作品として初めて、ソニーF65にて4K HDRおよび120fpsで立体撮影された。基調講演の会場には、クリスティのレーザープロジェクターと再生側は7th Senseのサーバーが映写に設置され、3Dメガネはドルビーが用意する。

ステージにはアン・リー氏に加えて、映画プロダクションのエディターTim Squyres氏、システム監督Ben Gervais氏、ステレオグラファーDemetri Portelli氏とソニーピクチャーズからプロダクション技術担当副社長のScot Barbour氏がパネルディスカッションで加わる。基調講演は16日の2時30分から(会場はサウスホールS222)。

The Future of Cinema Conferenceは、昨年まで映画技術サミットであったが、今年から新しいネーミングへと進化した。単純にブランドタイトルを変えただけではない。SMPTEは、本イベントのキャッチ「the immortal movie」のもと、映画の芸術・創造性と技術の限界をいかにこれから押し進めていくか、会議を通して参加者へインスピレーションしていくことを目指すという。2日間の会議のセッションスケジュールはこちらから。

(山下香欧)