先日のNTTに続き、NECからも8K60p超高精細映像の圧縮・伸長処理を実現するエンコーダ「VC-8350」並びにデコーダ「VD-8350」を2016年4月に発売する。本システムは2016年9月に出荷予定となっており、年間100台の販売を目標にしている。

VC-8350には、現行の4K HEVCライブエンコーダ「VC-8150」の開発と同じく、NTT開発の専用LSIを搭載し、NECの高画質アルゴリズムを適用させている。

映像符号化方式はH.265.HEVCでMain10プロファイル(レベル6.1)に対応し、ビットレートは60Mbps~140Mbps。またハイブリッドキャストサービスに必要なMMT(MPEG Media Transport)にも対応する。音声符号化方式にはMPEG-4 AAC-LCを採用し、最大22.2チャンネルの音声圧縮に対応する。4K高精細映像の圧縮・伸長処理にも対応しているので、4K/8Kの番組が混在する放送サービスに有効だ。インターフェイスには入力に3G-SDIを8系統、フルスペック8K光を1系統、出力にはTS/DVB-ASIとMMT/IP出力2系統を装備。

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エンコーダはVC-8150と同じ筐体サイズの5RUを維持している

デコーダーは入出力信号の制御やベースバンド処理を行う本体部分と、映像信号の伸張のみを行うサーバー部分の二つのユニットが連結しているのが特長。ユニット単位で処理を分けることにより、高速かつ効率的に動作させることができる。

この8月から総務省が牽いたロードマップのもと、BSを使った4K/8K試験放送が始まる。8K試験放送の運用はNHKが担当することもあり(4K放送も1ヶ月に6時間程度行う予定)、本コーデックシステムはNHKの協力のもと開発されている。

(山下香欧)