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Blackmagic Designの発表によると、「SXSW2016」で初公開された映画「The Arbalest(原題)」が、Blackmagic Cinema Cameraで撮影されたという。同作品はアダム・ピニー監督、ヒュー・ブラセルトン撮影監督が撮影。さらにカラリストのデイビッド・トーチビア氏がDaVinci ResolveStudioでカラーグレーディングを行った。

SXSW2016のNarrative Feature Competitionで初公開された「The Arbalest」は、風変わりで評判の悪いオモチャ発明家のフォスター・カルトが、シルビア・フランクという女性に心を奪われていく姿を描いた映画。カルトの1968~1978年の10年間のキャリアと妄想が描かれ、クライマックスではショッキングな新発明が生まれる。主演はマイク・ブルーン。

ピニー氏:私たちのゴールは、1960~1970年代のユニークな物語でありながら、その時代自体に関する物語ではないものを作ることでした。この作品ではルックをできるだけその年代に近づけたかったので、特殊な撮影スタイルを用いました。60~70年代の素晴らしい映画を思い起こさせるような作品になるように、スローで長いズームでカメラを動かし続け、非常に特殊なフレーミングを採用しました。

ブラセルトン氏:Balckmagic Cinema Cameraはこの映画の撮影に最適でしたね。シネマルックの画質を撮影できるダイナミックレンジを備えていながら、とても小さくて、リグ組みも動き回るのも簡単だからです。

柔軟性も高いですね。機材を取り替えて、ルーズでちょっと変わったイメージが撮りたい特殊なシーンでは、ハンドヘルドに切り替えて撮影できました。このシーンでは、サイケデリックな雰囲気を表現したいと考えていました。Blackmagic Cinema Cameraのおかげで、俳優たちが動き回っている最中に近づいて撮影し、目的を達成できました。

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RAWで収録されたBlackmagic Cinema Cameraのフッテージは、DaVinci Resolve Studioでのグレーディングにより、「The Albalest」のルックはポストプロダクションで特殊なものとなり、古い時代の雰囲気が付け加えられたとしている。

トーチビア氏:このプロジェクトのカラーに取り組んだ時、古い時代のルックを加えるだけでは不十分でした。その時代の映像の個性やトーンを再生成する必要があったのです。

DaVinci Resolve Studioには、私たちの目指す映像を作成するために十分なツールが搭載されていました。例えばHSLクオリファイアーでは、肌のトーンを簡単に選択して彩度を上げ、その時代特有の強いオレンジにすることができました。また、ルマ・クオリファイアーでは、古いレンズや古い映像のハイライトに見られるブルームを簡単に作成できました。

グレインは、OFXで生成したグレインと、スキャンしたグレインをミックスし、DaVinci Resolve Studioのトラックレイヤーマットで重ねました。このプロジェクトのワークフローは、DaVinci Resolve Studioのグループツールで大きく加速しました。ひとつのシーン内の似たアングルを同時にグレーディングしたり、シーン全体にグレインを適用したりなどの作業を、すばやく簡単に実行できたんです。