昨年の同社ブースの様子

エレメンタルテクノロジーズは今年のNABにて、4Kテレビの視聴体験を広げる技術をはじめ、映像サービスに新たなバリューを加える技術などを展開する(サウスホール/SU2724)。

まず4K映像処理関連については、HDR10およびHDRを持つ映像ソリューションをドルビー、テクニカラーの技術と組み合わせ、ライブおよびファイルベースそしてクラウドで展開し、HDR対応ディスプレイにて再現する。4K超解像度としては、クラウドにある8K解像度の映像を、エレメンタルのソフトウェアベースの符号化処理技術を使い、HFR(ハイフレームレート)のHEVC方式に変換する技術を紹介する。ソフトウェアベースであるため、例えばスポーツコンテンツなどで滑らかな表現ができる毎秒120コマで撮影された映像データでも対応できるとしている。

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また昨年に引き続きVR映像処理も、今回はライブでデモンストレーションする。技術パートナーであるノキア社のブースから、VR制作プロダクション向けのVRカメラシステムOzoがとらえた全方位映像をリアルタイムで映像処理し、CDN経由でエレメンタルブースまで転送する。ブースでは、Samsung Gear VRでVRライブを体験できるようになっている。

映像サービスに新たなバリューを加える技術としては、クラウドでの24時間マルチチャンネルのリニアTV放送を行うシステムフローや、VASTプロトコルに対応した広告挿入、OTT/マルチスクリーンTVサービスに付加価値をつけるライブ-to-VODやタイムシフトTV、見逃し視聴などを紹介する。

更にIPプロダクションフローへも提案する。今年のNABでは、ハイビットレートメディアトランスポートSMPTE 2022-5/6準拠対応のIP化製品が更に多く登場してくるものと思われる。この放送ライブプロダクションの次期システム移行として注目されているIPプロダクションにつながるマルチスクリーン配信技術を、SMPTE2022-5準拠のリアルタイム転送オーバーIP用FEC(前方誤り訂正)機能に対応する次世代ライブエンコーダーにて実演する。

なお同社ブースでは、NAB会期中の4月19日と20日の2日間、各日17時30分より日本語によるブースツアー(日本語セッション)を開催する。参加希望の場合は、エレメンタルの日本語サイトから申し込みが必要だ。

(山下香欧)