「HDC-4300」昨年時のNBAファイナルズにて

NBA(全米バスケットボール協会)プレーオフの最後を飾る、チャンピオンシップトーナメントNBAファイナルズが6月2日から始まっている。昨年に続き、ゴールデンステート・ウォリアーズとクリーブランド・キャバリアーズという、同じチーム同士の接戦となっている。試合は7戦まで続き、第4戦が現地時間6月11日(土)に放送されたところだ。

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NBAファイナルズの放送は、ABCが2003年以来連続で主導権を持っており、2013年からはESPNがスペイン語圏を兼ねてABCと並び放送権を取得している。今年は同チーム同士の対戦のように、ABCとESPNのダックも再結成となった。

ESPNは、昨年のNBAファイナルズで、当時ソニーから発表されたばかりの最新4Kハイスピードカメラ「HDC-4300」を大々的に起用したが、今年のファイナルズでは、プレーオフから使っているHDC-4300に、上位機種の新8倍速4Kハイスピードカメラ「HDC-4800」を現場カメラに加えた。

ESPNが用意したHDC-4800は1台。望遠レンズにキヤノン、そしてフジノンレンズをマウントし、HDC-4300と同様に4KからのHDカットアウト/ズーム(切り出し編集)もオペレーションされる。スタジアムにはHDC-4800やHDC-4300を含めて40台のカメラが出動しており、両チームのバックボードの上には、最大600コマ/秒の高速撮影するI-MOVIXウルトラモーションカメラが設置されている。

現場プロダクションは、クリーブランドのホームスタジアムではVideo Creek Videoが行っており、ゴールデンステートのホームスタジアム、オラクルアリーナ(カリフォルニア・オークランド)ではNEPが担当し、スタジアムの試合からオンセットスタジオでの番組中継をオペレーションしている。

NBA試合放送において、各局は様々な放送技術を投入し、趣向を凝らした番組を制作している。ABCではこのファイナルズにてNBAと契約しているIntelの360度インスタント・リプレイ技術を中継に取り入れる。

ESPNでは、ABCが放送する「NBA Saturday Primetime」でこの2月より「ESPN Virtual 3」と名付けた、3点シュート時に3ポイントラインに赤いイルミネーションを点灯させる3Dグラフィック技術を使っている。

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ターナースポーツは、NBAと提携しているNextVRとタイアップし、スポーツ放送初のライブVRを行った

(山下香欧)