2016年9月8日に開幕となる、オランダ・アムステルダムで開催される国際放送イベントIBCでは例年、RAIオーディトリアムにて「Big Screen Experience(ビッグスクリーン・エクスペリエンス)」を併催している。「Transformation in the Digital Era: Leadership, strategy and creativity in media and entertainment(デジタル時代への変革:メディアとエンターテイメントのリーダーシップ、戦略と創造)」の一部のカンファレンスである。今年の4日間は、モーションピクチャー美術および技術、ビジネスに影響を与える広色域(WGC)に焦点を当てている。

カンファレンス中にはナイトムービーが開催されるが、今年は米ドルビーラボラトリーズ(ドルビー)のドルビービジョン・プロジェクションを使用し、ディズニー最新作「ジャングル・ブック」をHDRで公開する。ドルビーシネマということで、オーディオも没入型オーディオDolby Atmosになるという。同作は、インドのジャングルが舞台であるにも関わらず、米ロサンゼルスのスタジオ内で全てを収録し、主人公のモグリー少年以外の生物は全てフルCGIで創りあげている。

上映日時は9月10日の18時30分より。投影前には、ドルビーからコンテンツ・クリエイティブリレーション担当ディレクターのスチュアート・ボウリング氏が登壇する。ボウリング氏はドルビーの前職で、ワーナー・ブラザースシアター、ワーナー・ブラザース・インターナショナルシアターやルーカスフィルムに在籍していた。

ビックスクリーン・エクスペリエンスのカンファレンスでは、9日と10日はコンテンツサプライチェーンに特化し、モーションキャプチャやライトフィールドカメラといった技術および製品に注目する。また12日の10時からは、アカデミー受賞監督のアン・リー氏を招いた基調講演を開催する。最新作「ビリー・リンのロングハーフタイムウォーク」を話題に交え、映画作品における“氏の創造とストーリーを伝える”技術について語られる。

(山下香欧)