Blackmagic Designの発表によると、アメリカ・サンタモニカの制作会社であるSubtractive Inc.が、ロサンゼルスのセンチュリーパークで行ったエドワード・シャープ・アンド・ザ・マグネティック・ゼロズのコンサートにおいて、ATEM 2 M/E Broadcast Studio 4K、ATEM 1 M/E Broadcast Panel、HyperDeck Studio 12G放送用レコーダーをライブストリーミングとIMAGセットアップの一部に使用したという。

エドワード・シャープ・アンド・ザ・マグネティック・ゼロズは、「Home」や「40 Day Dream」などのヒット曲で知られているアメリカのインディ・フォークバンド。ロサンゼルスに拠点を置くアメリカの公共ラジオ局NPRの系列局であるKCRWと、アネンバーグ財団(The Annenberg Foundation)の協賛で行われたイベント「Sound in Focus」で演奏を行った。KCRWとアネンバーグ財団は助成金、技術支援、直接的な慈善活動を通じてコミュニティの教育を支援しており、一連のコンサートは、アネンバーグ・スペース・フォー・フォトグラフィーでの「Refugee(難民)」と題した展示の一部として開催され、KCRWとアネンバーグ財団のWebサイトでライブストリーミングされた。

Subtractive Inc.のCEOのカイル・シェンバー氏によると、ATEM 2 M/E Broadcast Studio 4KおよびATEM 1 M/E Broadcast Panelがコンサートのライブスイッチングに使用されたという。6台のカメラのフィードがATEM 2 M/E Broadcast Studio 4Kに接続され、Webサイトでのストリーミング用とセンチュリーパークのIMAGスクリーン用の2つのフィードが送信された。コンサートでは、アーティストのセットチェンジの間、プログラムフィードの1つをライブのビジュアルパフォーマンス用のグラフィックとして使用し、イベントに関するメッセージなどと共にLEDスクリーンに映し出した。

シェンバー氏:ATEMシステムで最も気に入っているのは、コンピューターに頼らなく良い点です。コンピューターがクラッシュしても、スイッチングが続けられるというのはライブストリーミングを行うにあたって重要なことです。イベント中にラップトップが固まってしまうのだけは避けたいですから。エラーが起きる可能性が1つ減るという点は、ATEMならではの強みだと思います。

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また、コンサートのプログラムフィード収録のため、3台のHyperDeck Studio 12Gを使用した。シェンバー氏はカメラのISO収録のほか、クリーンなプログラムフィード、グラフィックやブランド名などを含むフィードをそれぞれ収録した。

シェンバー氏:HyperDeckは使い勝手がよく、本当に優れたデッキですね。イベントの最中に、現状の確認用の再生に使います。その情報を基に、必要に応じてカメラの調整を行います。でも、最も優れた点はイベントの終わりにクライアントにSSDを手渡せるという点ですね。ファイルはすでにProResなので、イベント終了後に夜遅くまでトランスコードしたり、ファイルで様々な作業をする必要がありません。単純にドライブを抜いて、クライアントに手渡すだけでプログラムの納品が完了できるのは、非常に優れた特長ですね。