米NewTekの発表によると、米国内63のテレビ局を運営するRaycom Media傘下のTupelo Raycomは、新しく構築したスポーツ用放送中継車の映像制作フローの中核として、NewTek IPシリーズを使用しているという。

Raycom Mediaは2012年にTupelo Honeyを、2015年にWebStream Sportsを買収し、2017年には両社を合併させた制作会社Tupelo Raycomを設立。Tupelo Raycomは今後、1000以上ものロケ現場から、ライブによるスポーツ番組を全国に向けて放送していくという。ライブ放送における制作環境においては、常に即座の要求に対応できるスイッチャーシステムが必要とされ、ニーズに応えるべくスイッチャーとしてIPシリーズを採用した。Tupelo Raycomのエグゼクティブバイスプレジデントのジョン・セルビスツィ氏は次のようにコメントしている。

セルビスツィ氏:我々はこれまで、スポーツ番組制作のスイッチャーシステムとして、TriCasterシリーズを使用してきましたが、イベントの規模が大きくなるに従い、入力数を増やす必要が出てきました。そのときタイミングよく、無限的な入力数を確保することができる、次世代のIPシリーズのVideo Mix Engineを紹介されたのです。

NewTekのVMC1ビデオミックスエンジンは、フレーム精度でスイッチング可能なモジュラータイプの、SDI/IPハイブリッドのライブ制作システム。同社のNDI技術を用いることで、これまで制限を課せられてきた入出力のスイッチングの制限がなくなるという。IPシリーズのインターフェイスやビルトインされているコンポーネントへのアクセスは、TriCasterモデルと同様のライブプロダクション用ソフトウェアが基本となる。

セルビスツィ氏:TriCasterと同じオペレーション環境で使えるため、すぐに現場で使えたことは重要でした。またもう一つの重要な要素としては、IP信号がライブ配信中に安定したクオリティで保たれるかということでした。これには妥協は許されません。さらにIPシリーズが、モジュラーアーキテクチャーを採用しているため、IP経由のみならず、必要に応じてSDI入力モジュールを追加できるということです。IPシリーズ導入前は、無限の入力数とういう点に疑問をもっていましたが、実際IPシリーズを導入によって、現場のワークフローを変えることなく、さらに、入力数を増やせるというメリットを十分に感じています。