株式会社AOI Pro.は、人に手を引かれながら世界や日本を散策する体験が可能なVRコンテンツ「WONDERFUL WORLD–VR Private Tour」の試作版を発表した。

同コンテンツは、VR Dream Match Baseballに続き、同社が手がけるVRコンテンツ第2弾で、世界や日本の各地を、案内役の人物に手を引かれながら散策する体験が可能。360°実写映像と立体音響による臨場感、体験者が実際に行う「歩く」動作、触ることができる「手」、風やミストの「体感」がシンクロすることにより没入感を実現。試作版では、関東地方のとある場所を女性に案内され、散策する。

自然に足を運ぶ歩行体験にするため、筑波大学システム情報系 岩田洋夫教授による歩行装置「トーラストレッドミルmini」を開発に活用。手(誘導アクチュエータ)を握ることで安定して歩行が行えるようになり、ハーネスも安全柵も不要のVR歩行装置を実現。なお誘導アクチュエータ、体感装置、歩行装置を組み合わせて映像にシンクロさせるVR体験システムは、日本初の試みとなる。

同コンテンツでは、「手」「風」「ミスト」の体感装置の開発とプログラム制御に有限会社プロトタイプ、映像と立体音響の実装にグループ会社である株式会社デジタル・ガーデンからそれぞれ協力を得ている。また、360°映像撮影の監修は国際VR/AR製作スタジオNOMAから、撮影から編集までのテクニカルサポートはグループ会社の株式会社TYOテクニカルランチが開発に携わっている。ヘッドマウントディスプレイには着用者の視線を追跡可能なFOVEを採用し、開発段階からFOVE,Inc.の協力により体験者の行動と反応をモニタリングしている。

ベルトコンベアを複数並べることで縦、横、斜めなど全方向の動きを再現できる歩行装置

同社は今後、商業施設、旅行会社、国内外航空会社、各国観光局、観光協会、各都道府県アンテナショップなどでの活用を見据えており、体験とデータを使用して検証を行い、実用に向けた開発を進めていくとしている。