AJA Video Systems社は、同社のフレームシンクロナイザーFSシリーズの新製品として「FS-HDR」を発表した。価格と発売時期は未定。

FS-HDRは、HDRワークフロー変換能力を備えた1RUラックマウント型のコンバーター&フレームシンクロナイザー。HDRとWide Color Gamut(WCG:広色域)処理に対応しており、リアルタイムで4K/UHDや2K/HDへ変換するワークフローを実現。HDR/WCGに特化した設計で、HDR/WCG制御機能はColorfront Engineの映像・カラースペース処理アルゴリズムを利用している。ColorfrontのCTO Bill Feighter氏と主任技術者Tamas Perlaki氏によって開発されたColorfront Engineは、ColorfrontからAJAへ特別にライセンスされている。

Colorfront Engineで動作するFS-HDRのHDRとWCG処理能力は、HDR変換を含んだ4K/UltraHDと2K/HDのリアルタイム処理、4K/Ultra HD HDRからHD HDRへのダウンコンバージョンに対応可能。また、FS-HDRはHDR領域を扱うメーカーの主要なカメラフォーマット変換が行えるほか、BT.2020/BT.709間の相互変換も可能。FS-HDRの主な機能は以下の通り。

(以下、プレスリリースより引用)

■BT.2020からBT.709への色域変換を含むHDRからHDR、HDRからSDR、SDRからHDRへのリアルタイム変換

■入力

  • SDR BT.709
  • PQ ST 2084 BT.2020
  • HLG BT.2100
  • Sony Slog3 Sgamut3
  • Arri LogC Arri Wide Gamut
  • Panasonic Vlog
  • Red Log3G10 RedWideGamutRGB

■出力

  • SDR BT.709 100 Nits
  • PQ ST 2084 BT.2020
  • HLG BT.2100

■2種類のモードに対応

  • シングルチャンネルモード:4K/UltraHDもしくは2K/HDのフレームシンクとHDR変換を含むコンバージョン
  • 4チャンネルモード:複数の独立した2K/HD/SDチャンネルを同時にコンバージョン&フレームシンク

■4K/UltraHD/2K/HD/SDビデオ処理とアップ、ダウン、クロスコンバージョン

■SDIとオプションで選択可能なFiber経由でQuad 1.5G、Dual 3G、Quad 3G、6G、12Gを含む4K/UltraHDに対応する多彩なI/Oオプション

■多様な4K/UltraHDデバイスとの互換性を持つSMPTE 2SI入出力をサポート

■4チャンネル2K/HD/SDビデオ処理とコンバージョン

■4K/UltraHD/2K/HD/SDアップ、ダウン、クロスコンバージョン

■SD/SDアスペクト比変換

■HD/HDクロスコンバージョン(720p/1080i)

■1RUフレームサイズ、強力で費用対効果が高く中継車、ポストプロダクション、放送局で設定するのに理想的

■272×208マトリックスを備えたオーディオI/O;AES、MADI、エンベデッドSDIオーディオから個別にオーディオを受け入れられる柔軟な機構で、各オーディオ入力に対しサンプルレート変換も可能

■シンプルな操作性、メニュー構造の再設計、フロントパネルのボタンから各機能へクイックアクセス、更にLANもしくはインターネット経由でウェブベースのUIからリモート制御

なお、FS-HDRは、2017年4月22日から27日(米国時間)に米国ラスベガスで開催されているNAB2017の同社ブース(サウスホールSL2505)にてテクノロジープレビューの実演を行っている。