Blackmagic Designの発表によると、ニューオーリンズを拠点とするRaven Production Management Group(以下:Raven PMG)が、NBAオールスター2017期間中のマウンテンデューの「コートサイドHQ」のオーディオビジュアル設備に、Blackmagic Micro Studio Camera 4K、Blackmagic Video Assistモニター/レコーダー、ATEM 2 M/E Production Studio 4Kライブプロダクションスイッチャー、Teranex AV、Teranex 2D Processorを使用したという。

ニューオーリンズ商工会議所へのインストールは、マウンテンデューと広告代理店Motiveの協力のもと行われた。Raven PMGはビジョン実現のアシストを行い、ユニークな体験ができる空間を作り出した。内部には巨大なLEDの立方体のステージが設置され、ライブパフォーマンス、絵画の展示、カスタムメイドのTシャツが作れるアイロンプレス機、プロ風写真スタジオなどが設けられた。中庭の大型LEDスクリーンでは、プログラム、コンテンツ、バスケットボールのテレビゲームのライブフィード、NBAオールスターゲームが映し出された。Raven PMGのビデオ照明監督のベン・ルイス氏は、次のようにコメントしている。

ルイス氏:Raven PMGは制作、デザイン、技術的な接続性を提供し、インタラクティブで没入型イベントを成功に導くアシストをしています。私はイベント制作を専門にしており、技術面で全てが順調に進むように手配することが私の役割です。そういった理由から、弊社ではBlackmagic Designの製品を使用しています。Blackmagic Designの製品は他の機材との相互接続性が良く複数のスクリーンに接続可能で、カスタマイズもしやすいので期待をはるかに上回る出来にプロジェクトを仕上げることができます。

Blackmagic Micro Studio Camera 4Kと共にモニタリングにBlackmagic Video Assistを使用してライブパフォーマンス中に舞台をワイドアングルで撮影した。

ルイス氏:Blackmagic Micro Studio Camera 4KとBlackmagic Video Assistのコンビは、一風変わったアングルから無人で撮影するショットに良く使用しています。これらのショットは標準的な放送をより面白くするために使います。ATEMへの送信前にルックが適切になるようにカメラのフォーカスとアイリスの調整にBlackmagic Video Assistに使用したことに加え、フィードやフレームレートの問題をチェックするための移動用モニターとしてもBlackmagic Video Assistを使いました。

同氏は、セットアップの中心となるATEM 2 M/E Production Studio 4Kに直接Blackmagic Micro Studio Camera 4Kを接続した。ATEMはIntensity Pro 4Kを介して同氏のコンピューターに接続され、ビデオおよびエフェクトのミキシングソフトウェアおよびATEM Software Controlを使って作業を行った。またTeranex AVとTeranex 2D Processorを2台ずつ使用して、テレビゲームや放送用フィードなどの追加入力を変換し信号の接続、ルーティング、調整を行った。

4台のBlackmagic Mini Converter HDMI to SDI 4Kにより、テレビゲームや放送用フィードなどのHDMIがATEMに接続され、また高額なファイバーケーブルの代わりにSDIを使用した。

ルイス氏:Blackmagic Mini Converterでは離れた場所でオーディオ出力が可能で、さらにSDIを使用したので高額なケーブルが壊される心配をする必要なく仕事ができました。すべてのフィードはSDIでLEDスクリーンに出力されました。

ビデオシステムには、主要な役割が3つあったという。第一に毎日定期的なプログラムがあり、スケジュール、試合のテレビ放送、テレビゲームのフィードの切り替えを行っていた。第二に、ビデオの1フレームをフリーズしてブランド戦略用の静止画像を作成するほか、プレーヤーの写真撮影があった場合はルックの変更を行う必要があった。第三に、事前収録されたミュージックビデオとコンサートのライブフィードを扱う必要があった。

ライブパフォーマンス中、同氏が率いるチームはライブフッテージのキャプチャ、ビデオおよびエフェクトのミキシングソフトウェアを使用したロゴやビジュアルエフェクトの追加、屋外のLEDスクリーンへのライブフィード送信のルーティングを行った。

ルイス氏:Blackmagic Designの製品のおかげで、会場内の複雑なルーティングもSDIで実現でき、1ヶ所からシステム全体を完全にコントロールできました。ATEMにリファレンスモニターを接続したことでクライアントに安心感をもたらし、あちこち走り回ってチェックする必要がありませんでした。コンサート中に予測不可能な事態が起きても、ハードウェアがバックアップの役割を果たすと思うと安心できました。フリーズフレームが作成でき、臨機応変にルーティングを切り替えられたので、クライアントは期待通りのビジョンを得られると安心していました。

Raven PMGは、この種の設備において柔軟性と安心感を重要視しているという。

ルイス氏:大型スクリーンと多様な出力を搭載していることからATEM 2 M/E Production Studio 4Kを選びました。Teranexは信号の調整が可能で、出力オプションが適しており、またルーティングが可能なので選びました。これらは、スチルフレームのローディング、さらにコンピューターやカメラやゲーム機など多種多様な機器への接続に必要な、フォーマットの変換を行う必要があったため非常に重要でした。Teranexはラックの中でも極めて使用頻度の高い機材でとても気に入っています。ビデオが非常に扱いやすくなり、ハードウェアレベルですばやくコントロールできるのでコンサート中のリスクを軽減できます。