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GoPro、Fusion「オーバーキャプチャ」の魅力をアプローチする

2017-08-17 掲載

GoProが4月のNABで明らかにした、全方位360°が撮れるアクションカメラFusionのトライアルがこの夏から始まった。

ベータサイト(パイロットプログラム)の申込者は2万件以上。GoProは、このパイロットプログラムに加え、Fox Sports、Golden State Warriors、USA Todayやデジタルドメイン、ゲッティイメージといったメディア関連企業にも、トライアルを頼んでいる。お試し撮影されたビデオクリップは、膨大なフォロワー数を持つ彼らのソーシャルメディアサイトに投稿されていくため、絶妙なティザー効果を上げられるだろう。このタイミングで、マイナスなコメントも瞬く間に広がるソーシャルメディアを通すとは、かなりの挑戦的な戦略ともみられる。

公開されているFusionの仕様情報は非常に限られている。ベータサイトでの規定があるのだろう。レビューサイトで判る事として、外観はGoPro Heroカメラ製品ラインと同様ながら7〜8センチ四方程度の大きさで厚さは2.5センチほど、GoPro5 Blackと同様にUSB-Cの電源形状を持っているということだ。

底には取り外しが可能なGoPro標準のマウントがついている。既存のマウントアクセサリでヘルメットや車などに取り付けられることはエコシステムとして競合製品よりも有利性を持つ。上部には3つのマイク穴があり、360°ビデオ用の指向性オーディオを持たせられるようだ。背面にはディスプレイはない。両面に、中央からずらした魚眼レンズを持ち360°分のFOVで撮影することができる。最大解像度は、5.2K/30fpsになる。

ご存じのとおり、単体の360°カメラは新しいものではない。ガーミン、サムスン、コダックやYIテクノロジーなどが、既にコンシューマー市場に360°カメラを投入している。YIテクノロジーの5.7K/30fps「Yi 360」カメラNABで発表され、Garminの5.7K/30fps「Virb 360」カメラは、5月末に発表されている。これらのカメラはFusionと一緒に、コンシューマーレベルの360°カメラの品質のバーを上げるものだ。しかし、4K解像度のライブストリーミング能力だけでは不十分かもしれない。

そこでGoProは、Fusionによる「Over Capture(オーバーキャプチャ)」と名付けた編集機能をアピールし、アクションカメラによる新しいストーリーテリングを訴求している。

Real-world GoPro Fusion OverCapture footage

このオーバーキャプチャは名前のごとく、通常のカメラ視野範囲以上を撮っておき、1080pフレームの動画を好きなアングルでパンチアウト(切り出し)やパン・ズームができる機能だ。もちろん、従来の方法でもポスト編集で可能である。6台のGoProをマウントした360°カメラリグOmniで撮影し、スティッチソフトKolorで1枚につなげた後、好きなアングルで切り出し編集(ディレクターズカット)すればいい。ただ、GoPro Fusionであれば、単体カメラで全方位を5.2Kで撮っておき、没入型コンテンツからディレクターズカットまで制作することができる。

オーバーキャプチャは既存のKolorソフトウェアAutopanoがベースであることが、NABでのKolor代表Alexandre Jenny氏のインタビューでわかる

没入型およびオーバーキャプチャのキーはスティッチング能力にある。歪みや、目に見えるステッチラインは臨場感を妨げ、視聴者はストーリーのシーンに浸ることができない。Fusionの特徴は、焦点位置調節レンズ(焦点オフセットレンズ)にあるという。通常、背中合わせのレンズでは、視差が大きくなり、スティッチングのクオリティが問われる。Fusionで使用されているオフセットレンズの設計は、レンズ間の画像の不一致を減らし、スティッチングの方程式をうまく活用できるものになっているという。ベータサイトの説明会などで公開されたFusionによる没入型コンテンツは当初、フロントレンズで撮った映像と背中の映像の間に色相の差がやや目立っていた。しかし、最近のGoProの公式ブログによれば、スティッチング技術の更なる改善を進めており、製品版が発売される時には、期待以上のクオリティがみられることだろう。

スティッチング技術にはD.WARPというアルゴリズムが適用されている。D.WARPは、視点の違いによる視覚的なアーチファクトを最小限に抑えて、これらの魚眼画像を球面空間に変換する。D.WARPを使用してイメージワーピングを修正し、複数のソースピクセルをマージしてより均等なイメージを作成するために、露出とコントラストの違いを調整する独自のブレンディングアルゴリズムを適用する

Fusionは、年度末のクリスマス商戦にはリリースしなければならない製品として現在、開発中だ。Wi-Fi搭載でライブストリーミングが可能か、タイムラプス可否、バッテリー仕様、オーバーキャプチャ用のPCスペックそしてFusionの価格帯など、まだ不明な内容が多い。

2016年に、480万台のカメラ販売で12億ドルの収入を得たGoPro。FusionがGarmin VIRB 360の価格レベル800ドルで10万台を販売する場合、その影響は8000万ドル。つまり売上の7%になる可能性を持つ。大きな影響を与えるものではないが、現在のGoProの経営状況から見れば、顕著な業績として認められる製品になるだろう。

(ザッカメッカ)


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[ DATE : 2017-08-17 ]
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