Blackmagic Designの発表によると、チリのテレビ局Canal 13が、同局のテレビ小説の撮影用カメラとしてURSA Mini 4Kデジタルフィルムカメラを導入したという。また同局では、カメラコントロールにBlackmagic 3G-SDI Arduino Shield、編集およびカラーグレーディングにDaVinci Resolve Studio、フォーマット変換にTeranex 2D Processorを使用している。

テレビ小説「Runaways」の監督兼制作総指揮を務めるエルバル・アブリュー氏が同作にシネマライクで洗練されたルックを加えるために、Blackmagic Design製品を制作に導入することを提案したという。既存の放送機材とシームレスに機能するカメラを必要としていたCanal 13にとって、新しい製品を導入する上で適合性を評価する最も簡単な方法は、ワークフローの特定の作業でテストすることだった。Canal 13の技術プロジェクト主任ウーゴ・テラン氏は次のようにコメントしている。

テラン氏:コンバージョンの管理用にTeranex 2D ProcessorなどのBlackmagic Design製品の導入から始めました。制作の流れを乱すようなことはなく、既存のインフラで不足していた部分を補ってくれたので、結果に非常に満足しています。Blackmagic DesignのURSA Mini 4Kカメラには常に注目していて、既存のシステムに影響を与えず、画質の点で希望通りの結果が得られるか確認するために同様のテストシナリオをURSA Mini 4Kで試す必要がありました。

URSA Mini 4Kが正しい選択であることをCanal 13に納得させるために、URSA Mini 4Kで2シーンほど撮影し、既存の放送カメラのフッテージと比較しました。URSA Mini 4Kでは希望通りの結果が得られました。画質、優れたコントラスト、上質なルックとカラー、クリアな背景と、非常に大きな違いが見て取れました。また、既存の機材と比較してURSA Mini 4Kは安価なことにも驚かされました。

スタッフにとっては、使い慣れた既存のスタジオカメラから独立型のURSA Mini 4Kへの移行はチャレンジだった。カメラの設定は様々な方法でカスタマイズ可能なため、同局では最終的にBlackmagic 3G-SDI Arduino Shieldを使用してカメラコントロールを行った。スタッフはすぐにカメラに慣れ、違いを認識したという。

また、Canal 13はポストプロダクションにもBlackmagic Design製品を使用している。顧客は4Kへ移行していないため、同局ではテレビ小説をHDで撮影し、Teranex 2D ProcessorでプログレッシブHDからインターレースHDにフレームケイデンスを保ちながらダウンコンバージョンしている。さらに同局では、カラーグレーディングと一部の編集作業にDaVinci Resolve Studioを使用している。

カラリストでポストプロダクションのロベルト・ディアス氏は、「Runaways」のカラーグレーディングにDaVinci Resolve Studioを使用した。ショットの微調整、カラーや色温度の調整、オリジナルの素材に深みを加えるのにPower Windowが役立ち、簡単なショットの調整、スタビライゼーション、特殊効果の追加などでDaVinci Resolve Studioの編集機能も役に立ったという。

「Runaways」はチリで視聴率ランキングで頻繁に2位や3位の座を占めているほか、世界的にもオンラインで人気を得ている。テレビ小説はCanal 13のWebサイトにおけるオンラインストリーミングでトップに達し、MIPCOM 2016では、ラテンアメリカで「最もフレッシュなテレビ番組」の一つとして取り上げられた。また2017年5月、同局はBlackmagic Design製品を使用して、テレビドラマ「Soltera Otra Vez(Single Again)」の第2シーズンの撮影を開始したという。

テラン氏:Blackmagic Designの機器を使うことで成し遂げたことの素晴らしさに本当に感心しています。URSA Mini 4Kのダイナミックレンジは、極めて細かなディテールまでキャプチャーでき、DaVinci Resolve Studioの総合的なポストプロダクション機能により、長年求めていたシネマライクで美しいルックを得ることができました。