Blackmagic Designの発表によると、撮影監督スコット・ソレンセン氏がアメリカのロボット企業「MegaBots」のWebシリーズの撮影にBlackmagic Micro Cinema CameraやURSA Mini4.6Kデジタルシネマカメラを使用したという。MegaBotsは最先端のロボット工学を用いて、人間が搭乗して操縦できる、約5メートルの人型ロボットの製作を行っている。

2年前、MegaBotsは日本の水道橋重工に対して巨大ロボット対戦を挑み、それを水道橋重工側が受理した。Webシリーズの最初のエピソードは、既存のMk.II(マークツー)は格闘戦には向いていないため、既存のロボットに手を加えるのではなく、新しいロボットを一から製作する方が良いという決断に至るまでの経緯を映し出している。その後、Webシリーズでは研究開発やテストの様子を記録し、最終的に全く新しいロボット「Eagle Prime」を完成させるまでの様子を追った。シリーズのクライマックスは、MegaBotのEaglePrimeと水道橋重工のKuratasの巨大ロボット対戦で幕を閉じた。ソレンセン氏は次のようにコメントしている。

ソレンセン氏:MegaBotsはオンラインで非常に高い人気を得ています。SFの世界に登場する巨大ロボットが現実に殴り合いする姿を見たいと思う人々がたくさんいるんです。このWebシリーズでは、このようなロボットが現実のものとなるまでの舞台裏を視聴者に垣間見てもらうことを目的としています。

シリーズの初めに会議を設けて、製作における大きな節目を列挙し、概要をまとめました。ロボットの新しいパーツが稼働し始めると、少人数のスタッフを引き連れて作業場まで行き、過程を記録しました。MegaBotsのチームがロボットのシステムを作り上げるたびに、既存の概念を覆す部品の使い方だったんです。異常が発生したときには、どのような結果になったとしてもすべてを記録する準備ができている必要がありました。それを踏まえると、毎回360°すべてを逃すことなく撮影できるカメラの使用が必須でした。

思いつく限りすべてのアングルから撮影するため、ソレンセン氏は6台のBlackmagic Micro Cinema Cameraを使用した。小型なサイズ、拡張ポート、フィルムのようなルックが撮影には最適だったからだ。

ソレンセン氏:Micro CinemaCameraを選んだ最大の理由は拡張ポートでした。最終的に、ロボットの操縦室にカメラをリグ付することになると分かっていたからです。カメラに拡張ポートがついていることで、RC飛行機のトランスミッターを介してカメラをリモコンでコントロールでき、ロボットからのAC電源で給電できました。

URSA Mini 4.6Kも補助的なオーバークランク用カメラとして撮影に数回登場した。撮影したテストの一部では、ジンバルにマウントしたBlackmagic Micro Cinema Cameraを操作しながら、URSA Mini 4.6Kを使ってスローモーションで撮影をした。

同シリーズのワークフローには、Blackmagic DesignのMultiView 4、SmartView 4Kモニター、複数のMicro Converters HDMI to SDIが使用された。対戦の最中、各ロボットには複数のMicro CinemaCameraが設置され、その映像はMicro Converters HDMI to SDIに送られた後、2台のMultiView 4に送信された。

次にMultiView 4がワイヤレスのビデオソリューションに信号を送り、分割画面の映像をモニター室にあるSmartView 4Kに伝送して、カメラがリモートでのトリガーに的確に反応しているか同氏が確認するために使用した。RCトランスミッターを1台使用して作ったカメラのリモート・トリガーシステムは、各ロボットに搭載された2つのレシーバーとペアが組まれた。それらのレシーバーから、1本のサーボ延長ケーブルを各Blackmagic Micro Cinema Cameraの拡張ポートに接続した。各カメラは、トランスミッターの個別のスイッチに割り当てられた。

ソレンセン氏:ロボットの中のカメラをリモートでモニタリングとコントロールするシステムは手持ちのものを使って作りました。このシステムのおかげで、セットで多くの時間を節約できました。また、ロボットが殴ったり、ぶつかったりする様子を余すところなくカメラが撮影できていることを確認でき、安心して作業を進められました。本当にうまく機能しました。

Blackmagic Micro Cinema Cameraはとても小さいので、操縦室の狭い空間に設置するのは簡単でした。EaglePrimeの実験中、カメラをCスタンドとMagic Arm、モーションコントロール・スライダー、ジンバル、ジブにマウントして撮影しました。

ソレンセン氏:あるエピソードを撮影中、約210リットルのドラム缶をロボットが投げられるか実験したのですが、運が悪いことに、モーションコントロール・スライダーに取り付けたBlackmagic Micro Cinema Cameraをドラム缶が直撃したんです。レンズが見事なほどに吹っ飛びましたが、スライダーはわずかなダメージを受けただけで、カメラ自体は無傷で済みました。この小さなカメラの耐久性には本当に驚かされました。