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[InterBEE2017]シャープ/アストロデザインブース:シャープの名を冠した8Kカムコーダーが意味すること

2017-11-24 掲載

txt:江口靖二 構成:編集部
シャープ / アストロデザインブース 360°全天球動画
RICOH THETA Vで撮影した360°全天球動画です。視点変更機能を利用するにはPC版Google ChromeブラウザおよびiOS/Android版YouTubeアプリが必要です。(アプリ起動はこちら)

シャープ/アストロデザインブースレポート

InterBEE 2017での個人的な注目ポイントは、なんと言ってもアストロデザインとシャープの連携である。両社の連携は、これからの映像産業の拡大発展の鍵を握っていると言っても過言ではない意味を持っていると思うのである。

鴻海が2社を繋ぐ

アストロデザインは1977年に創業した歴史ある会社で、ビデオ信号発生器で大きく成長した。その後はNHKとの協力関係のもと、HDTV、そして8Kスーパーハイビジョンの技術開発では極めてイノベーティブな役割を果たしてきていることは言うまでもない。一方のシャープは液晶技術を筆頭に拡大を続けてきたが、昨今は厳しい競争の中で急速に低迷し、大量のリストラという血を流しながらも、鴻海グループの支援を受けて復活の兆しが見え始めているところだろう。

少し前から、鴻海のテリー会長の判断でアストロデザインとシャープは急速に接近を始めていた。共通のキーワードは8Kである。アストロデザイン側からすると、彼らがNHKと共に牽引してきた8K技術を、R&Dや市場開拓用の単品モノのメーカーから、もっと広い市場に出して行きたいという思いがあったはずだ。一方のシャープ側は、コンシューマー向けのテレビ市場での失敗を8K以降でも繰り繰り返したくないのと、元々自社のLCD技術のB2B領域、特に放送機器での市場性について検討をしてきた経緯がある。こうした2社の状況を、結果的にテリー会長が8Kを軸に資金面も含めて連携させたかたちだ。

アストロデザイン/シャープの共同ブース

InterBEE 2017では、アストロデザインとシャープは共同でブースを構えた。このクラスの企業がこういう共同ブースを構える場合は資本的にも近いか、やがて近くなるケースが多く、2社は事実上の鴻海グループと見て良いだろう。ちなみにシャープはInterBEEの歴史53年目にして初出展である。

アストロデザイン開発でシャープブランド

シャープのロゴが付いた8Kカムコーダー8C-B60A

この2社の共同出展という視点から見ると、今回の目玉はやはり主にアストロデザインが開発した業務用8Kカムコーダーが、SHARPのロゴを冠して登場したことにすべてが集約されている。8Kカムコーダーをはじめとして、今回の展示の詳細はこちらに詳細があるのでご覧いただきたい。

シャープブランドの8Kカムコーダー8C-B60Aは8K60p非圧縮Quadlink 12G-SDI出力を備え、どちらかと言うと収録というよりは8Kライブ配信に目を向けている。8Kや今後それを超える解像度を備えたカメラは、映画のような完パケ作品を志向するものと、ライブビューイングやスポーツ中継などを志向するものの両方があって然るべきだ。一方の表示装置側では、アストロデザインが8K 25,000ルーメンのレーザープロジェクターを参考出品した。これは8Kや更にそれ以上の解像度は大画面が適していることもあり、その実現にはプロジェクターとディスプレイの両方の方向性がある。

LCDの場合は複数面でマルチを組むことになるが、どうしてもベゼルの問題が残ってしまう。完全にベゼルレスのLCDが実現できるかどうかだ。OLEDの大画面化はLCD以上にまだまだ課題が多い。今後は鴻海ルートでLEDを彼らのエコシステムに組み込んでくるのではないだろうか。

アストロデザインの8Kレーザープロジェクター

アストロデザインとシャープの連携は、NHKや鴻海の思惑もあって今後大きく拡大していくものと思われる。とりわけ鴻海は、ビジネスとしての主戦場は中国やインド、そして北米であると考えているだろうが、そのために日本市場での研究開発やエンターテインメントビジネスとしての様々なトライアルが必要ではないだろうか。

こうした取り組みは、鴻海も含めたメーカー3社が得意とするモノ作り、モノ売りだけでは市場が創造されて行かない。コンテンツがどうしても必要だからである。特に8KはいまのところNHKだけがプレイヤーだ。本当にEND to ENDを志向するのであれば、最上流側のコンテンツ領域に関わらないわけにはいかないのではないだろうか。放送のような縛りのない領域での市場創造に期待をしたい。


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[ DATE : 2017-11-24 ]
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