松竹京都撮影で体験する最新の技術

DJI JAPANとDJI正規販売代理店LANDSCAPE共同開催によるプロ映像制作者向けワークショップ「DJI PROFESSIONAL WORKSHOP」が11月10日、京都太秦で開催された。京都といえば、日本映画発祥の地としてお馴染みの地である。さらにその現場が京都太秦の「松竹京都撮影所」と聞けば参加しない手はない。編集部は早速京都へ向かった。

発売が始まったブラシレスジンバルスタビライザー「Ronin 2」とSuper35mmセンサーを採用したシネマカメラ「Zenmuse X7」、そして「Inspire 2」を使用し、スクリーンやテレビでお馴染みの殺陣シーンを空撮やスタビライザーで効果的に魅せる内容となった。撮影現場での臨場感さながらに最小限で最大の効果を生む作品のワークフローを紹介する本格的なワークショップが行われた。それでは実際にその内容をお伝えしていこう。

■Sword Battle of Ronins – Samurai Sprits

ワークショップの大きな流れは、試写室で空撮と殺陣による作品を鑑賞後、実際に屋外のセットで殺陣のシーンを再現しつつ、それぞれの機材がどのように使用されたのか詳しくデモンストレーションを交えながら進められた。まずは、作品をレビューしながらの座学となった。やはり実際に見てみたいという気持ちにさせる。Ronin 2とInspire 2で撮影したこの動画作例「Sword Battle of Ronins – Samurai Sprits」は開催前日に撮影、編集、グレーディングを終えたばかりだという。

いよいよ本番時代劇のセットの中を縦横無尽に駆け巡る

作例の舞台となった屋外セットへ参加者は移動し、殺陣のシーンを再現する贅沢な時間となった。今回のパートは、Ronin 2を使った撮影フローの紹介を株式会社アルマダス代表 吉田泰行氏、Inspire 2による空撮ワークショップはDJI JAPANのドローンパイロット中村佳晴氏がレクチャーを行なった。実際の飛行は、RallyStream代表 染宮弘和氏が行った。数多くのモータースポーツイベントで空撮、映像制作を手がけた国内を代表するクリエイターだ。

Ronin 2とRED Weapon 8Kを搭載したMotion Impossibleで撮影は行われた。現状Ronin 2とカメラの耐荷重を考えるとMotion Impossibleが一番相性がいいという。早速演者が殺陣を始めると、Motion Impossibleも同時に撮影を開始。安定した映像を大きなモニターで参加者も確認。

演者の動きに応じてバギーカムが動くが、映像の安定感は予想以上だ。ある程度殺陣の動きが決まっているおかげで、さらにMotion Impossibleの縦横無尽な動きはドリーとは異なるものがある。

さらに吉田氏は、Ronin 2を単独使用して撮影に望む。しかしながら単独で使用するにはあまりにも重すぎる。Ready Rig and ProArm Kitを併用して体への負担を軽減していた。

続いて空撮パート。DJIのドローンパイロットの中村佳晴氏がレクチャー。ドローン操縦とカメラ操作を2人体制で行うスタイルで運用。ドローンオペレーションでは、ワンマンオペレーションが多いと言われるが、映像撮影においては基本的なフローである。ワークショップの撮影は2回行われた。

DL-S 16mm F2.8 ND ASPHレンズは、ラインナップ中唯一のNDフィルター付。カーボン筐体なので非常に軽量

通常のフライトモードと2回目はトライポッド(三脚)モードで行われた。まさに空中に三脚があるかのごとく、機体をゆっくりと制御できるため安定性がより確保される。イントレを組んだり、クレーンなどの特機を使う必要なく高位置から、安全に撮影可能なことは言うまでもない。

■Behind the Scene :Sword Battle of Ronins – Samurai Sprits


Inspire 2には、Zenmuse X7にDL-S 16mm F2.8NDという組み合わせで撮影。今回発売されたレンズは、すべて単焦点で16mm、24mm、35mm、50mmの4本がラインナップされている。マウントは、PLマウントの1/3サイズであるDJI独自開発のDLマウント。レンズ筐体はカーボン製で本体と合わせても630gと軽量である。まさに空撮用のために登場したシネマカメラである。

ドローンとスタビライザーで変わる撮影の世界の今を感じた

撮影の世界にジンバル、ドローン、ラジコンが登場してまだその歴史は浅い。空中からの俯瞰映像からグランドレベルでの安定した映像をシームレスでつなぐことができるこれらの新しい映像特機の登場はゲームチェンジャーとも言える。Ronin 2やInspire 2を使用することで斬新なシーンを手軽に撮影可能になる。またクリエイション以上にコストを抑えるなど映像制作上のメリットも多くある。

またBlackmagic Design、EIZO、シグマ、G-Technology Japan、Dell、また今回使用した機材やソフトウェア、周辺機器の展示コーナーもあり実際の製作現場での展示は相乗効果があり、非常に盛り上がっていた。毎年パラマウントスタジオで開催される映画機材展CineGearのような雰囲気を感じた。日本ではこの感覚はなかなか味わえないので参加者の満足度も高いのではないかと思われる。

今回は、Ronin 2やZenmuse X7を搭載したInspire 2の実力とその効果を目の当たりにした。また、今回のワークショップは京都での開催であったが、ぜひ関東も最新の機材で映像にまつわる場所で開催してもらいたい。オープンセットの問題などもあるが、DJIユーザーのみなならずプロの映像関係から広く注目を集めるはずだ。