パナソニックは1月22日、東京・品川区にあるパナソニックプレスルームにて「LUMIX GH5S」発表会を開催した。GH5Sの商品企画を担当した香山正憲氏が登壇し、GH5Sに関する詳しいプレゼンテーションを行った。GH5Sの希望小売価格はオープン、市場想定価格は税別30万円前後。

GH5Sは、発表前まで「GH5の後継機が登場か?」と噂が絶えなかったが、GH5の兄弟機種という立ち位置になるという。GH5Sの「S」は、スペシャリティとセンシビリティーの意味を込めた意味であり、LUMIXシリーズの中でも最も高感度に対応したGH5のプロフェッショナル動画エディションと紹介した。

GH5Sの商品企画を担当した香山正憲氏

マイクロフォーサーズは高感度の画質が欠点と認識しており、GH5Sでは高感度を上げるためにあえて10.2M LiveMOSセンサーを採用して受光部の高感度性能を高めることに重点を置いたという。GH5は手ぶれ補正や20Mのセンサーを搭載した高解像を重視したモデルで、GH5Sは高感度を重視した三脚やジンバルを用いた本格的なプロの映像制作に対応したモデルとしている。

GH5Sは特にボディ内手ブレ補正機能の非搭載が話題だが、G影響や重低音のライブ環境で微妙にぶれ方が違って編集が困難になってしまったり、スライダーやリグに装着した際に不要なぶれ方に悩まされるために搭載を見送ったという。あえてボディ内手ブレ補正を非搭載にすることにより、三脚やジンバルの組み合わせた際に、より高画質の画を引き出すことが可能なのがGH5Sで、手持ち撮影が多くてボディ内手ブレ補正を搭載していたほうがいい人はGH5をお勧めとしている。

また、業務用のカメラのVARICAMやAU-EVA1ではお馴染みの機能「デュアルネイティブISOテクノロジー」の搭載も高感度のキーとなっている。一般的なシングルネイティブISOでは、1つのアナログ回路でゲインアップを構成しており、ISO感度を上げると一緒にノイズも上がってしまう。デュアルネイティブISOでは、2つのアナログ回路を搭載しており、低ISO感度まで引っ張れたり、高感度ではノイズを抑えることができる。また、高感度ISO6400以上においても出来る限り、ノイズを抑えた品位を抑えた画質を実現している。

また、マルチアスペクトも特徴で、GH5Sはイメージサークルに対して一回り大きなイメージセンサーを採用。ボディ内手ぶれ補正の搭載を見送った分、そのスペースをうまく有効活用したイメージセンサーを採用することにより、4:3や3:2、16:9、Cinema4Kの17:9といったこの画角でもレンズの焦点距離をそのまま使用することを実現している。

新開発の10.2M LiveMOSセンサーを搭載

GH5Sは、フラッシュシンクロ端⼦を経由して、外部機器とタイムコードの同期が可能。同梱物にフラッシュシンクロ端子を活用したBNC変換ケーブルを同梱しており、このケーブルをフラッシュシンクロターミナルに装着して、タイムコードのイン&アウトの同期を実現。業務用のビデオカメラやタイムコードジェネレーターと撮ることができる機能を独自に実現している。フラッシュシンクロターミナルは、動画の現場ではほとんど関係のない端子だが、同期に使えるようにした面白いアイデアの機能といえるだろう。この機能により、複数カメラでの撮影の現場でもGH5Sが活用されるのではないかとのことだ。

GH5で評価の高い無制限記録やパソコンとの接続によるUSBのテザリング撮影をGH5Sでも継続。また、バッテリーグリップの「DMW-BGGH5」やXLRマイクロホンアダプター「DMW-XLR1」といったGH5用のアクセサリーはすべてGH5Sで使用することが可能。そのままスライドして使える汎用性が高いものとなっているとアピールしていた。

GH5SにXLRマイクロホンアダプター「DMW-XLR1」を組み合わせたところ