ソニーは、4K60pおよびHDR収録に対応した新開発のCMOSイメージセンサーExmor Rを3板式で搭載したXDCAMメモリーカムコーダー「PXW-Z280」を2018年7月6日に発売する。希望小売価格は税別770,000円。

PXW-Z280は、新開発1/2型CMOSイメージセンサーを3板式で搭載することにより、4K収録に対応しながら従来機種「PXW-X200」と同じF12の高感度を実現。35mm換算で、ワイド端30.3mm~テレ端515mmの光学17倍ズームレンズを搭載。HDモード時に、4K解像度を利用した解像度劣化のない2倍のデジタルエクステンダーと光学ズームレンズを併用することで、34倍の高倍率ズームを実現。フォーカス/ズーム/アイリスの各操作リングには「フルマニュアルリング」を採用。フォーカスリングは、前後にスライドし、オートフォーカスと、フルマニュアルフォーカスを素早く切り換えることが可能。また、HD運用時と同様に1本の同軸ケーブルで4K映像を伝送する映像インターフェース12G-SDIにも対応。

イメージセンサーを3板式で搭載することで、光の三原色(R、G、B)それぞれに1センサーを対応させる色分離に優れた高精細な4K映像の収録が可能だとしている。また、S-Log3やポストプロダクションの時間を短縮してHDR映像制作を実現するインスタントHDRワークフローにも対応。番組収録や取材撮影などで便利なAF機能機能として、人物以外の被写体も含めて撮影する場合に便利な「顔優先AF」モードに加えて、顔のみを追従する「顔限定AF」モードも新たに選択可能。さらに、フォーカスを合わせたい人物の顔を登録することで、背景や他の人の顔に紛れることなく、撮影対象人物にフォーカスを合わせ続けることが可能。

フェイス・ディテクションAF機能は、顔にフォーカスを合わせる技術

記録フォーマットは、XAVC-Intra 4:2:2 10bit(4K/HD)、XAVC-Long 4:2:0 8bit(4K)/4:2:2 10bit(HD)に対応。さらに、MPEG HD 422、MPEG HD、DVCAMなどのメインフォーマットに加え、最大9MbpsのXAVC Proxyにも対応。また、新たに4K/HDの同時記録もできるようになり、4K XAVC収録時にHDを同時に収録することが可能。SxSカードの2つのメモリーカードスロットを備えることで、「同時記録」や「リレー記録」、「バックアップ記録」を行うことが可能(別売のSDカードアダプター「MEAD-SD02」を使用することでSDカード記録にも対応)。リモート端子も装備し、コンパクトライブスイッチャー「MCX-500」とリモートコントロールユニット「RM-30BP」との組み合わせによるタリー連携も可能。また、独自開発のデバイスにより、簡単なダイヤル操作で、1/4から1/128まで、シームレスに光量変更が可能な電子式可変NDフィルターを搭載。可変NDフィルターだけで光量を調整できるため、絞りを固定し、被写界深度を変えずに最適な露出を得ることができるとしている。

デュアルMIシューを2つ搭載しており、LEDライトとMIシュー対応ワイヤレスレシーバーを同時装着可能

マルチインターフェース(MI)シューは、ハンドル前方だけでなく後方にも新たに搭載。ビデオライトの装着と同時にワイヤレスマイク UWPシリーズも併用できる、利便性が向上している。4chオーディオ入力にも対応し、ショットガンマイクとUWPシリーズの併用などXLRとMIシューの同時運用が可能だ。ワークフローの観点では、ネットワーク機能を更に強化し、2本のモバイルネットワークを束ねるDual Linkによるライブストリーミングが新たに可能になった(別途「PWS-110RX1」用の有償オプションが必要。2018年12月のバージョンアップにて対応予定)他、ネットワークを用いたメタデータ連携や、撮影中のファイル転送にも対応している。

なお、PXW-Z280は、2018年4月9日から12日(米国時間)に米国ラスベガスで開催されるNAB2018の同社ブース(セントラルホール/C11001)にて展示される。