Blackmagic Designの発表によると、アカデミー賞受賞歴を持つASC(全米撮影監督協会)所属のクラウディオ・ミランダ撮影監督が、シネマトグラファーとしての作品や個人的なプロジェクトの編集およびグレーディングに、DaVinci Resolve StudioおよびDaVinci Resolve Mini Panelを使用したという。

「トゥモローランド」、「オブリビオン」、「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」などの劇場作品のみならず、多くの短編作品やCM、ミュージックビデオでその名を知られているクラウディオ・ミランダ氏は、撮影監督として、カラーグレーディングや編集についても理解を深めることが自分にとって大切だと語る。

ミランダ氏:私は、色々なカメラを試すことが好きなんです。私にとって、自分自身でフッテージを扱うことは、本質に関わることです。露出オーバー/アンダー、ハイライトのディテール、ハイライトおよびシャドウ部分のカラーなどを確認することで、カメラの性能やDIにおける可能性が分かります。

何年もの間、カラリストの横で時間を費やし、彼らに質問をぶつけることで、非常に多くのことを学んできました。そんな経験から、DaVinci Resolve Studioは非常に直感的だと思いますね。

最近行った車メーカーINFINITYのCM撮影で、ミランダ氏はDaVinci Resolve StudioとDaVinci Resolve Mini Panelを撮影現場で活用した。

ミランダ氏:車内ショットと、いくつかの至近距離の外装ショットの背景には、リアプロジェクション・スクリーンを使用しましたが、その際DaVinci Resolveの高速処理がとても役立ちました。ブラーや縦方向ブラー、複数のPower Windowの追加、ライティングの確認、照明調節ボードのオペレーターへの合図の送信、ポジショニング、遠近補正などを行いました。

車の窓は少しずつ色合いが異なっていたので、それぞれにPower Windowを作成して、色と輝度の差を修正しました。1~2個のPower Windowを追加して、車内の照明を増幅しました。これらの作業はすべて撮影中に行う必要がありました。キャッシュを使用しなければならなかったのは、複数の種類のブラーを使用していた時だけで、全体的にすべてのシステムはとてもスピーディに動作しました。クライアントや監督は、DaVinci Resolve Studioの柔軟性と性能に驚いていましたね。

また、DaVinci Resolve Mini Panel、UltraStudio Express、UltraStudio 4K Extreme 3キャプチャー・再生を併せて使用することでミランダ氏のワークフローはさらに進化を遂げたという。

ミランダ氏:DaVinci Resolve Mini Panelは、使い勝手が抜群です。作業スピードが劇的に向上しただけでなく、物理的なホイールを使用することで、より繊細な調整が可能になりました。また、編集とグレーディングを即座に行き来できるのも良いですね。

オンセットでの作業に加え、ミランダ氏は自宅でも同システムを使用している。大規模なプロジェクトのテスト、プリプロダクション撮影、カラー参照だけでなく、個人的なプロジェクトにもDaVinci Resolve Studioを使用し、すべての編集とグレーディングを行っているという。

ミランダ氏:以前は別のソフトウェアで編集してからDaVinci Resolve Studioに読み込んでいたんですが、同じソフトで編集とグレーディングを行う方が効率的ですよね?私はカメラマンなので、グレーディングされていないフッテージを見ることに我慢ならないんです。そのため、1つのシステムで編集とグレーディングを行き来できるDaVinci Resolve Studioのワークフローは私にとって理想的です。

カメラの性能を把握するためにRAWで作業することが好きなのですが、DaVinci Resolve StudioではRAWでの編集も可能です。スピーディに作業でき、プロキシのレンダリングは必要ありません。また、特にスタビライザーが気に入っています。ズームイン・ショットが必要な場合、オリジナルのファイルでズームの開始点を確認できます。