Blackmagic Designの発表によると、eスポーツ会社ESLが複数のDeckLink Quad 2キャプチャー・再生カードを組み込んだカスタムメイドの再生システムを使用して、League of Legendsヨーロピアンマスターズの決勝戦をライブ配信したという。

同再生ソリューションは、ユニークかつ複雑なライブプログラムに対応。ATEM 2 M/E Production Studio 4Kスイッチャーを中心とするライブプロダクション・ワークフローを採用し、会場の観客はもちろん、世界中でライブ配信を視聴している数百万人の人々に映像を届けた。ESL UKのエグゼクティブ・プロデューサー、サム・ディーンズ氏は次のようにコメントしている。

ディーンズ氏:eスポーツの放送は、これまでのコンテンツ制作の手法を一新するものです。しかし他の多くの発展途上の業界と同様に、既製のソリューションが制作チームの予算を超えていたり、あるいは主要なトーナメントで必須のマルチレイヤー/マルチソースレイアウトを実現する技術条件を満たしていなかったりする場合があります。

ディーンズ氏は、ESLがこのような大規模なプロダクション用のインフラを構築する場合、制作ワークフローにおいてBlackmagic Design製品が極めて重要な役割を果たすと語る。

ディーンズ氏:DeckLink Quad 2を使用して、ビデオ再生、即時リプレイ、スローモーション再生、モーショングラフィックのフィル&キーのオンエア、舞台上のLEDスクリーンの操作を実現する独自のカスタムソリューションを構築しました。DeckLink Quad 2は非常にパワフルな製品で、1枚のカードで8系統のビデオ信号を同時に扱うことができます。

既存の“すぐに購入可能な”ソフトウェアを使用する場合でも、あるいは独自のソリューションを開発する場合でも、デベロッパーにとってDeckLinkのサポートが第一の選択肢となってきていることは明らかです。ESLでもDeckLinkをすべてのソリューションの中心に据えるという決定に繋がっています。

即時リプレイ用のサーバーには4系統のライブビデオがフィードされ、メインのプロダクションユニットに単一のフィードを1080p 59.94で出力。メインユニットでは2台のATEM 2 M/E Production Studio 4Kスイッチャーで放送用のプログラムがミックスされた。

ディーンズ氏:メインのスイッチャーにライブカメラのフィード、放送グラフィック、ゲーム映像を送信し、ATEM 2 M/E Broadcast Panelを使ってスイッチングしました。このようなハイプレッシャーな環境で、18以上のソースと2つの独立したフィル&キーチャンネルを扱わなければならなかったのですが、目の前にあるパネルで操作できるため、自信を持ってスイッチングできました。

2台目のスイッチャーでは、ATEM 1 M/E Advanced Panelを使って10台の主観ショットカメラ(POV)のサブミックスを作成。これらのカメラでは試合中のプレーヤーのリアクションを撮影し、作成したサブミックスは2つのSDI出力からメインスイッチャーに戻されたという。

ディーンズ氏:Blackmagic Design製品がなければ、League of Legendsのライブプロダクションは実現できなかったと思います。DeckLinkカードなどの製品により、超ハイエンドの放送プロダクションへ参入するハードルが下がるだけでなく、コンテンツ制作やデジタル空間におけるライブプロダクションの既存のやり方を一新する上で、特定の問題を解決する助けにもなっています。