株式会社JVCケンウッドは、JVCブランドより業務用プロジェクターの新商品として、D‐ILAプロジェクター「DLA-VS4700」「DLA-VS4600」「DLA-VS4550」の3モデルを2018年7月中旬に発売(受注開始)する。10月中旬頃より順次発送予定。

3モデルともに、画素ピッチ3.8μmを実現した0.69型ネイティブ4K「D-ILA」デバイスを搭載。フルハイビジョンの4倍を超える約880万画素(水平4096×垂直2160画素)表示を実現。また、垂直配向技術や平坦化技術により、光の散乱や回析などの異常光を抑えることで高コントラストも実現。光源にはブルーレーザーダイオードを採用した同社独自のレーザー光源技術「BLU-Escent」を採用。3,000lm(DLA-VS4600は4,000lm)と約20,000時間の長寿命を両立する。蛍光体を固定式とし、無機蛍光材料を使用することで経年劣化を抑えるとともに、回転式と異なりモーターなども搭載する必要がない。また、複数のレーザーダイオードを用いた光源は、ランプのように突然消灯するリスクも少ないとしている。

プロジェクター内部に設けた専用センサーにより、光源の明るさを一定に保つ「輝度一定モード」を搭載。業務用途として長期間にわたる使用においても調光作業を低減する。調光は明るさを25%~100%までの間において、125段階に細かく調整可能。「輝度一定モード」と組み合わせて一定の明るさを保った視聴ができるだけでなく、複数画面のマルチプロジェクション利用時にはプロジェクターの明るさの個体差を正確に調整できるとしている。

D-ILAデバイスと光学エンジンを組み合わせ、さらにレーザー出力を可変制御することで高いダイナミックコントラストを実現。“引き締まった黒”により、星空や夜景などをリアルに再現するという。また、レーザー光源と新カラーフィルターを採用した光学エンジンにより、BT.709カバー率100%の広色域を実現。4K映像も1秒間に120コマで表示可能。また、映像信号の低遅延にも対応し、各種シミュレーションなど映像の追従性が求められる用途でも使用可能。

電動レンズシフトユニット「PK-MLS01」(別売オプション)により、最大上下±100%、左右±40%のレンズシフトが可能で、設置時の自由度が向上。レーザー光源の採用により、プロジェクターを水平以外でも設置可能。ポートレートモード(縦長の映像表示)にも対応し、プロジェクターを縦向きに設置できるほか、本体を傾けて設置して天井や床などへの投射も可能。

2台以上の複数画面表示時に適した各種画像処理を適応するマルチプロジェクション機能を搭載。画面のつなぎ目を重ね合わせ、輝度をコントロールする「エッジブレンディング」機能や、 キャリブレーションソフトウェア(別売オプション)を用いることで、各プロジェクター間の色再現領域の微妙なバラツキを補正する「カラーマッチング」機能、微妙な位置ズレを補正し、表示コンテンツの品位を向上させる「ディストーション補正」機能を搭載。

DLA-VS4700のみの特長として、1画素を斜めに0.5画素シフトさせることで縦・横方向の解像度が実質2倍となる、同社独自の「8K/e-shiftテクノロジー」を搭載。4K解像度の映像を時間的、空間的にずらし、8K(8192×4320)解像度表示を実現。既存の4K用レンズやビデオカードなどの新調も必要ない。

DLA-VS4600のみの特長として、従来モデル「DLA-VS4500」のコンパクトシャーシを継承しつつ、光学系を高輝度仕様に変更することで、明るさは約1.3倍アップの4,000lmを実現。コントラスト15,000:1との両立により、大画面でさらなる高精細映像が楽しめるとしている。