Blackmagic Designの発表によると、エディターのウィル・スティア氏とGoldcrest Postのカラリスト、マリア・チェンバレン氏が、SFアドベンチャー「2036 Origin Unknown(原題)」の制作において、ライブVFXワークフローを含むポストプロダクションに、DaVinci Resolve Studioを使用したという。

「2036 Origin Unknown」は、数々のSF作品に出演歴を持つケイティー・サッコフ主演、ハズ・ドゥルール監督による映画作品。人間とテクノロジーとの関係を描いている。

オンライン編集とコンフォームは、スティア氏が担当。スティア氏は、ドゥルール監督と共同プロデューサーであるパウラ・クリカード氏が開発したワークフローに、独自のレイヤーアプローチを適用した。

スティア氏:タイムラインは当然のようにVFXで重くなっており、さらに締め切りが厳しいこともあって、Goldcrestが柔軟にグレーディングできるようなワークフローが必要でした。

DaVinci Resolveでは、オンスクリーン・グラフィックとビジュアルエフェクト、そして異なるカラースペースの各カメラパッケージで別のレイヤーを使用しました。これにより、グレーディングの段階でマリアは他のすべてのレイヤーをオフにして、特定のレイヤーだけで作業することが可能でした。

スティア氏とチェンバレン氏にとって、もう1つ時間を削減する助けとなったのは、VFXを自分たちで操作できる機能であったという。

スティア氏:ショットにリアルなディテールを加える作業は、通常は合成ソフトで行いますが、DaVinci Resolveでは、グレイン、レンズフレア、カメラシェイク、モーションブラーなどの内蔵プラグインを使用して、直接作業できます。高品質かつリアルなエフェクトを作成できるだけでなく、このワークフローは他のソフトウェアとのラウンドトリップに時間をかける必要がありません。

チェンバレン氏:例えば、グレーディング中に、主人公であるマックのコントロールデスクのボタンが点滅するタイミングをストーリーに合うように調整したり、すでにレイヤーにマッピングされたA.R.T.I.の反応のカラーやタイミングを調整する必要がありました。

また、別々のレイヤーのグラフィックやモニターUIを調整する上で必要なすべてのツールにもアクセスできます。タイムライン上でカラー、ポジション、サイズ変更などの機能に簡単にアクセスできるので、特定のエレメント用に新しいバージョンやマットを作成する必要はありません。このため、ハズと私は、納期に妥協することなく、グレーディングで自由にクリエイティビティを発揮できました。

スティア氏:ギリギリになってVFXが変更されることはよくあります。しかし、DaVinci Resolveでこのような柔軟なマルチレイヤー・タイムラインを構築したことで、ワークフローが劇的に向上しました。制作プロセスの一環として、私たちは計画的でクリエイティブかつ説得力のあるグレーディングを行いましたが、DaVinci Resolveのおかげでスムーズな作業が可能でした。