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Fusion Studio事例:ドラマ「レギオン」の場合

2018-10-01 掲載

Blackmagic Designの発表によると、ロサンゼルスを拠点とするVFXスタジオのMuse VFXが、ドラマ「レギオン」にてFusion Studioを使用したという。

設立者/VFX監督のジョン・グロス氏とフレッド・ピエンコス氏が率いるMuse VFXは、ヒットシリーズである同作の第2シーズンのVFXにFusion Studioを使用した。

ピエンコス氏:この作品のVFX制作は、主に登場人物や、モンスターやネズミなどのあらゆる生物を中心に展開しました。

このような生物のうちの1つが「妄想」モンスターだった。このモンスターは、第2シーズンの第1話で卵から生まれ、シーズンを通して大きくなり続け、最終的には巨大なサイズに成長する。同社のVFXゼネラリストであるブライアン・レイ氏は次のようにコメントしている。

レイ氏:生まれたばかりの「妄想」は黒い粘液に覆われているため、動くたびに跡が残ります。そこでFusion Studioを使用して、その跡を作成する方法を考案しました。「Ambient Occlusion(アンビエントオクルージョン)」を使用し、モンスターの脚が地面に触れた場所のレンダリングからのデータを用いて、「Trails」ツールで、次の一歩に踏み出た後にも跡がしばらく残るようにしました。その後、カスタム・マクロを使用して、それらの跡にボリュームを加え、反射するようにしました。

第6話までに「妄想」は部屋いっぱいを埋め尽くすサイズに成長する。ライティング作業のため、Muse VFXはFusion StudioのSDKを使用して、マージを実行する「MultiMerge Fuse」を作成した。これは、現在Reactorで一般利用のために公開されている。Reactorは、FusionおよびDaVinci Resolve用の無償オープンソースパッケージマネージャー。

レイ氏:「妄想」はタールのように黒光りしていて、さらに一部のシーンでは照明がストロボのように点滅していたので、ライティングの作業には多くのチャレンジが伴いました。意図したルックを得るために、表面とライティングのディテールは何度も見直しを行いました。また、多数の新しいレンダリング画像を作成する時間はありませんでした。

レイ氏:そこで、ライティングのパスのレンダリング画像を複数作ることにしました。時には、7つものライティングのレンダリング画像を作成しました。希望通りのルックを得るためには、レンダリング同士でバランスを取る作業が必要になりますが、調整する「Blend」コントロールの数が膨大だったため、コンポジターは多数の「Merge」の間をクリックする作業を長時間にわたって行なっていました。そこで、この問題を緩和するためにFusion StudioのSDKを使用して「MultiMerge Fuse」を作成しました。「MultiMerge」では、単一のコントロールパネルで入力と「Blend」スライダーのリストが確認できます。これは、スタジオのライティングコンソールとは異なります。

Muse VFXによると、Fusion Studioの3D合成環境は同シーズンの複数のショットを作成する上で欠かせない存在だったという。あるショットでは、Muse VFXはコンパスにCGの針を追加する必要があった。

レイ氏:当時はまだクライアントとデザインについて検討を重ねていた段階だったので、3Dソフトウェアでのモデリング、アニメート、レンダリングは時間が掛かり過ぎると分かっていました。その代わりに、Fusion Studioのプラグインで、スプラインを使用して針を作成しました。これにより、針の形と装飾を簡単に繰り返し使用できることになったので、1週間以内に12種類のバージョンを作成できました。

第2シーズンでは、デヴィッド・ハラーと友人たちが政府機関ディビジョン3に加わり、共通の敵であるシャドウ・キングと戦いを繰り広げる。ディビジョン3のビルを映す、長いエスタブリッシング・ショットの作成には、セットでのカメラモーションを再現するために3Dカメラムーブのデータが極めて重要な役割を果たしたという。

レイ氏:カメラは、街のスカイラインに威圧的な存在感を示す、ディビジョン3の建物を映し出すワイドショットからシーンを始めます。その後、窓を突き抜け、廊下を進み、鉄格子のついた独房の窓を通した視点でショットは終わります。このシーンの作成にあたっては、Alembicカメラファイルを読み込み、Fusion Studioの「Camera Tracker」で作成したカメラとマッチできたので、シームレスに作業が行えました。

マーベル・コミックスのクリス・クレアモントとビル・シンケビッチ原作の「レギオン」は、 ダン・スティーヴンス演じるデヴィッド・ハラーを主人公とする物語。デヴィッドは、統合失調症を患っていると信じていたが、実際は自分自身が史上最強のミュータントである可能性があることに気づく。同作には、レイチェル・ケラー、オーブリー・プラザ、ビル・アーウィン、ナヴィド・ネガーバン、ジェマイン・クレメント、ジェレミー・ハリス、アンバー・ミッドサンダー、ハミッシュ・リンクレーター、ジーン・スマートらも出演している。


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[ DATE : 2018-10-01 ]
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