EIZO株式会社は、CG277の後継機種となる27型カラーマネージメント液晶モニター「ColorEdge CG279X」(以下:CG279X)を2018年11月2日に発売する。希望小売価格はオープン。

CG279Xは、PQ方式Hybrid Log Gamma方式、両方のHDR入出力特性(ガンマ)に対応。映画作品や放送番組など、HDRコンテンツの編集作業や簡易色確認に有効だとしている。デジタルシネマ規格であるDCIや、4K/8K放送の色基準となるBT.2020などの国際規格で定められた色域・ガンマを再現する表示モードを標準搭載している。カラーモードはモニター本体の前面ボタンから切替えて使用でき、ユーザーはプロジェクトの色基準に合わせて手間なく色管理が行える。

従来機種に比べ、コントラスト比は1000:1から1300:1に向上。バックライトを常に点灯させて画像を表示する特性を持つ液晶モニターでは難しかった、引き締まった黒色表現に優れているとしている。

専用のカラーマネージメントソフトウェア「ColorNavigator 7」に対応しており、ColorEdgeのキャリブレーション、調整目標の作成・編集、資産管理を手間なく正確に実施するとしている。ColorNavigator 7は、2018年11月2日から同社Webサイトにて無償でダウンロード可能。

測定精度を向上させたキャリブレーションセンサーをモニター筐体に内蔵。経年変化による表示のずれを正しく再調整する。また、ColorNavigator 7を使用して用途に合わせた最適な表示に調整可能。

モニターの正しい表示を保つために必要な再調整は、内蔵のキャリブレーションセンサーが自動で実施する(セルフキャリブレーション)。従来はセルフキャリブレーション時に、モニター画面が暗転しPC作業ができなかったが、CG279Xは作業画面を表示させたまま、再調整できるようになった。

液晶モニターは、周囲の温度変化やモニター内部の温度変化の影響を受けて色や明るさが変動し、正しい表示を妨げることがあるが、ColorEdgeシリーズはモニター内部に温度センサーを搭載し、内部の温度変化をセンシングするとともに周囲の温度変化を推定している。これにより、階調・色度・輝度などに対して適切な補正を行い、正確な表示品質を維持するとしている。また、この温度推定にAI(人工知能)を活用したアルゴリズムを採用しており、より高い精度で周囲の温度を推定し、安定した表示環境を提供する。

モニターの電源を入れてから3分(従来機種は7分)で輝度、色度、階調特性が安定するように設計されている。また、ColorEdgeシリーズとして初めて、USB Type-C端子を搭載。USB Type-C対応PCと接続する場合、ケーブル1本で映像信号とUSB信号を伝送可能。この他にも、DVI端子、HDMI端子、DisplayPort端子を各1系統搭載している。

従来機種に比べ、筐体をスリム化。モニター下部ベゼル幅は約46%スリム化し、視界を妨げないデザインとなっている。約19%軽量化した筐体に持ち運びしやすい背面ハンドルを装備し、モニター前面には軽く触れるだけで自在に操作できるフラットな静電スイッチを採用している。また、組立不要、マグネット取付け方式の遮光フードが付属。モニターの上部、左右の側面を囲い込み、蛍光灯の映り込みなどの外光反射を防ぐ。

なお、CG279Xは2018年11月14日~16日に幕張メッセにて開催される放送機器展「InterBEE 2018」の同社ブース(ホール7/ブースNo.7407)にて国内で初めて展示される。