株式会社朋栄は、ユニバーサルシステムフレームUSF-212AS/105ASに挿入して使用するTICOコーデックモジュール「USF-106TICO-12G」を2018年11月末に発売する。希望小売価格は税別70万円。

USF-106TICO-12Gは、4K映像信号とTICOコーデック信号を変換する装置で、エンコーダーまたはデコーダーとして使用することが可能。TICOは1:4のビジュアルロスレス(見た目に劣化がない)圧縮技術で、繰り返しの圧縮・伸長による画質の劣化が少なく、低遅延(10ライン程度)での映像処理が可能だとしている。12Gbpsまでの信号入力に対応した端子を1つ、12Gbpsまでの信号出力に対応した端子を2つ、3Gbpsまでの信号入出力に対応した端子を4つ、合計7端子を搭載。各端子がベースバンド用に使用されるか、TICO圧縮された信号用に使われるかは、入力信号の種類や、出力信号の設定によって変わる。

標準でダウンコンバーター機能(4K→1080iまたは1080p)を内蔵しており、4K入力をエンコードする時には、TICO圧縮された3G-SDI信号の出力と共に、入力4K映像をダウンコンバートしたHD信号をモニタリング用に出力可能。TICO圧縮された3G-SDI信号を入力するデコード時は、伸張した4K映像に加え、それをダウンコンバートしたHD映像を同時に出力可能。

USF-106TICO-UCオプションを追加することにより、アップコンバート機能を搭載可能。HD 1080iまたは1080pからアップコンバートした4K映像を、TICOコーデックで圧縮して伝送することが可能になり、送信元が4K/HD混在のシステムであっても、受信側(デコード側)は4Kで統一でき、システムをシンプルに構成することができるとしている。

また、USF-106TICO-12Gは、カラーコレクション機能とフレームシンクロナイザー機能、音声処理機能の各信号処理も搭載しており、カラーコレクションは、HLGとSDRダイナミックレンジ相互変換、ITU-R BT.2020とBT.709の色域相互変換が可能。フレームシンクロナイザー機能により、入力信号を安定化してからエンコード、フレームシンク後にデコードすることで、システム全体の信頼性向上に貢献するとしている。音声処理は、ゲイン調整、リマップ、ダウンミックス、トーン信号発生の機能を持ち、各種映像信号処理による遅延を調整可能。

なお、USF-106TICO-12Gは、2018年11月14日~16日に幕張メッセにて開催される「Inter BEE 2018」の同社ブース(ホール3/No.3509)にて展示予定。